登山道立ち入り規制へ 岩手山噴火警戒 レベル2引き上げで
岩手山の火山活動が高まっている可能性を受け、県や関係市町などで構成する同山の火山防災協議会幹事会(幹事長・田端政人県防災課総括課長)は22日、緊急会合を県庁で開き、気象庁の噴火警戒レベルが現在の1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)へ引き上げられた場合、7カ所ある登山道入り口からの立ち入りを規制する方針を確認した。
仙台管区気象台が21日発表した臨時の「火山の状況に関する解説情報」によると、同山では2月ごろから山体の膨張を示す地殻変動が観測され、変動量が火山活動の活発化した1998年と同規模に達している。また、黒倉山付近では5月ごろから微小な火山性地震が増加し、山頂付近ではここ数年火山性地震の発生頻度がやや高い状態で推移している。これを踏まえて県が21日開いた有識者による火山活動に関する検討会は、大地獄谷で水蒸気噴火が突発的に起こる可能性もあるとの見解を示した。
この状況を受けて開かれた同幹事会の会合には、県や八幡平、滝沢、雫石の関係3市町、国の機関、専門家などウェブを含め約30人が参加。大地獄谷周辺へ立ち入りを控えるよう呼び掛ける注意喚起の実施を決めた。
また、噴火警戒レベルが2に引き上げられた場合、関係市町は火口周辺への立ち入りを規制することになるが、現実的に火口周辺を規制するのは難しいため、登山道の入り口から同山への立ち入りを規制することを確認した。
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