賢治ゆかりの地 発信 東磐運送設置・東山 マップ入り看板完成【一関】
一関市東山町長坂のJR大船渡線猊鼻(げいび)渓駅前に、同町松川にある石と賢治のミュージアムの宣伝看板がお目見えした。同ミュージアムを周知し、観光面など地域振興に役立ててもらおうと東磐運送(同市千厩町)が設置した。20日は現地で設置記念式が開かれ、関係者が同ミュージアムなど宮沢賢治ゆかりの地を発信する看板の誕生を祝った。
同社は経営理念に「社会との共生」を掲げ、除雪機など学校向けの物品の寄付を続けてきた。看板の設置は、賢治の顕彰と同ミュージアムの周知、地域振興を目的に取り組み、賢治が1930年に東北砕石工場を初めて訪れた9月13日に合わせて工事を完了した。
看板は猊鼻渓駅前にある同社グループ会社の東磐交通駐車場前に設置した。横2・7メートル、縦1・8メートルのアルミ複合版で、同ミュージアムを構成する旧東北砕石工場、太陽と風の家、双思堂文庫の概要を紹介。宮沢賢治記念館(花巻市)や種山高原星座の森(奥州市)、奥州宇宙遊学館(同)など県内の賢治ゆかりの地を巡る際に役立つイーハトーブマップを配置し、詳細を知りたい時に役立つ各施設のQRコードも載せた。
設置記念式には市や市観光協会、東磐運送や東磐交通、げいび観光センターから関係者約50人が参集。東磐運送の菅原良徳代表取締役社長が「宮沢賢治、鈴木東蔵の思いと信念を後世に伝えるため、この地がこれからも繁栄する一助になることを目指し支援を続けていきたい」とあいさつ。
佐々木賢治市観光協会長は来年の大船渡線開業と猊鼻渓名勝指定100周年に触れ、「猊鼻渓や地域経済が発展したのは鉄道が通ったおかげだ。花巻の賢治を東山からも積極的に発信したい」と語り、同ミュージアムの菅原淳館長は「近場の施設だが、海外など遠くからも興味を持ってきてくれる方がたくさんいる。皆さんに感謝しこれからも一緒に地域を盛り上げていきたい」と謝辞を述べた。
古き良き時代の服装で登場した菅原社長と賢治をイメージした菅原館長が看板の除幕を行い、げいび吟友会メンバーが「雨ニモマケズ」の朗読を披露した。