事務室改装 昭和レトロに 「キチ商店」オープン 飲食、雑貨販売 金ケ崎・六原駅
金ケ崎町三ケ尻丹蔵堰のJR六原駅に12日、「キチ商店」がオープンした。JR東日本盛岡支社が、自治体や地域の事業者とタッグを組んで推進している駅舎利活用の一環。旧事務室が昭和レトロを感じさせる内装の飲食と雑貨の店に生まれ変わり、初日から多くの客でにぎわった。14日午前10時からはオープン記念イベントとしてプチ・マルシェが催されるほか、カレー150食分が振る舞われる。
店を開いたのは同町三ケ尻荒巻横道上地内の国道4号沿いで雑貨店とカフェを兼ねた「zakka+café KICHI.」を営む朝倉秀佳さん(52)。「無人化などもあって閑散とした六原駅前に、活気を呼び込みたかった」と動機を話す。
町の仲介で、コロナ禍前に計画が浮上。行動制限などで頓挫したものの、緩和後の1年ほど前から本格的な準備を進めてきた。「zakka+café KICHI.」の2号店として食事を提供し、雑貨を販売する。
ただし、1号店とはメニューも取扱商品も全く違うといい「メニューは列車の待ち時間に食べられるような軽食類。そば、うどんも加えた。六原駅は男性の利用客が多く、雑貨もキャンプ用品や工具入れなど、男性を意識して取りそろえた」と朝倉さん。
開店へ向け、JR側で店舗スペースを整備する工事などを行って貸し付け、同店が内装工事を行った。朝倉さんは「町内に住んでいても六原駅を利用したことがない、どんな所か知らないという人は少なくない。ぜひ来てもらいたい」と来店を呼び掛けている。
駅舎は鉄筋コンクリート平屋建て、総床面積約270平方メートル。2019年3月に無人化された。
キチ商店の営業時間は午前10時~午後5時。火・日曜、祝日定休。25年1月から酒類も提供し、営業時間を午前7時~午後7時に変更する見通し。