息災祈り雪踏みしめ 白木野人形送り 西和賀
西和賀町白木野地区に伝わる厄払いの伝統行事「白木野人形送り」は19日、地区内で行われた。地区住民が侍をかたどったわら人形を掲げて練り歩きながら、疫病退散を願った。
人形送りは疫病が流行した江戸時代に始まったとされ、毎年1月19日に行われている厄払い祭り。終戦前後までは旧湯田町の各集落で行われ、1982年に同町の無形民俗文化財に指定された。町内では同地区のほか下前地区、左草地区でも行われている。
住民15人が白木野公民館に集まり、昔ながらの方法で人形を製作。持ち寄った稲わらを手分けしてよったり、縛ったりして、最後に木で作った刀などを取り付け、高さ約1メートルのかみしも姿の侍人形を完成させた。
同日の町内は朝から青空が広がり、一行は午前11時20分ごろ同公民館を出発。雪景色の中、住民たちは侍人形を担ぎ、ほら貝などを鳴らしながら約700メートルを練り歩いた。隣の集落との境付近にあるクリの木に人形をくくり付けると、全員で手を合わせて今年一年の無事息災を祈願した。
参加者最年少で、ほら貝を担当した会社員中島大樹さん(34)は「小学生の頃にもほら貝を担当したことはあるが、難しかった。県内ではインフルエンザや新型コロナウイルスが流行しているので、無病息災を願い吹いた」と話していた。