“熱き想い”つなぐ 男衆が争奪戦 蘇民祭保存協力会青年部 黒石寺で集い【奥州】
2024年で幕を閉じた奥州市水沢黒石町の黒石寺蘇民祭を支えた同祭保存協力会青年部(菊地敏明部長)による蘇民袋の争奪戦などが5日、同寺境内と周辺で行われた。同祭を引き継いでいこうと同部が独自に企画したもので、市内外から参加した下帯姿の男たちが激しい肉弾戦を繰り広げた。
同祭は五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を願って行われてきた伝統の祭り。数々の儀式の運営を担う檀家(だんか)の高齢化などを理由に、昨年2月に終止符を打った。
同寺では蘇民祭を開催してきた旧暦1月8日の薬師如来縁日(蘇民祭は7日夜から8日朝にかけて開催)に当たる5日、薬師信仰をつなぐ「祈りの日」として檀家らによる祈とうを行った。一方、同青年部は蘇民祭の歴史を後世につないでいく狙いで「熱き想(おも)いの男たちの集い」と名付け、同祭の一部を引き継いだ催しとして開催した。
集いには同青年部員など16人が参加。初めに同寺境内の瑠璃壺(るりつぼ)川(山内川)で水ごりをし、「蘇民将来」と叫びながら冷水で身を清めた。同寺近くに設けられた会場で繰り広げられた争奪戦では、「ジャッソー、ジョヤサ」の掛け声を響かせながら約40分にわたり男たちが激しくもみ合いながら護符の入った麻袋を奪い合った。
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