息災祈り獅子ガブリ 水沢 黒田助地区で門付け【奥州】
奥州市水沢羽田町の黒田助地区で16日、270年以上にわたり伝承されている黒田助獅子舞による門付けが行われた。保存会員らが地区内全戸を巡って舞を披露し、一年の無病息災、家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。
地元の黒田助獅子舞保存会、黒田助会、睦会から合わせて約30人が参加。一行は黒田助千養寺で出発式を行った後、福祉施設や病院を含む黒田助行政区内56戸を回り、悪魔になって家の中に入ろうとする獅子を太刀取りが太刀を振りかざして追い払い、再び入ろうとする獅子を切り倒す内容の舞を上演した。住民や施設利用者は獅子に頭をかんでもらい、一年の健康を祈っていた。
市無形民俗文化財の同獅子舞は、地区で受け継いできた太鼓に「延享3年寄贈」の文字があることから、1746年以前から伝わるとされる。同保存会の菊池勝秋会長(78)は「太鼓の文字を起源とすると、来年280周年を迎える。門付けは毎年住民に喜んでもらっているので、今後もできる範囲で続けていきたい」と話した。