事故無きよう万全 北上 下水道幹線管路 岩手県が法定点検公開
県は21日、流域下水道幹線管路の法定点検を北上市相去町の現地で公開した。埼玉県八潮市での下水道管の損傷が原因とみられる道路陥没事故は現地の住民に大きな影響を与えているだけに、事故のないよう万全を期す姿勢を示した。
複数自治体など広域の下水道から汚水が集まる県管理の流域下水道幹線は、北上川流域を中心に155・6キロ。うち4・8キロが腐食する恐れが大きいとされる。下水道法では5年に1回以上の点検が求められているが、損傷による影響を考慮し、県は対象の120カ所のマンホールを年1回点検している。
同日は近隣自治体の担当職員を対象とした見学会を兼ねて実施。花巻、北上、奥州、金ケ崎4市町の担当職員10人と報道各社に北上浄化センター付近の「花北幹線M2」の現地を公開した。
点検作業では、委託業者が深さ約10メートルのマンホールに入り、堆積土砂や侵入水、金具の状況、ふたの摩耗度などを目視で確認し、撮影したほか、専用器具を使い酸素濃度や有害な硫化水素が発生していないかを調べた。
今回点検した管路は敷設39年目。県は1974年に敷設を開始しており、近く耐用年数の50年を超える管路も出てくる。県では今後も対象地点で点検を行い、調査項目に基づき緊急度を判定。対応が必要な箇所は直ちに修繕、改築していく。
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