一関・平泉

大船渡線と私 開業100周年プレ企画

 図書館の蒸気機関車に出合い昔を思い出した。折壁の古い停車場から、多くの友達が山汽車で新しい人生に向かって出発した。当時の高校進学率は50%。中学卒業生の半数は、夢や大志を抱き集団列車に揺られ、上野駅など全国各地に向けて古里を後にした。

 自分も神奈川に転職する時、お世話になった多くの人から見送りを受け、思わず目頭が熱くなった。車窓から見えた霊峰室根山が頑張れと励ましてくれた。都会の生活に疲れると無性に山登りがしたくなり、長野などの雄大な風景に癒やされたものだ。2度目の転職先である大船渡に行くのにも、折壁停車場から山汽車に数え切れないほど乗車し、お世話になった。新婚旅行の憧れのハワイ航路行きでも利用した。

 折壁停車場は自分の人生の交差点である。これからも1日置きの病院通いでお世話になる。

(一関市室根町・藤代勝信さん)

momottoメモ

「大船渡線と私」の連載は今回で終了します。たくさん応募いただきありがとうございました。掲載しきれなかったエピソードや写真は後日特集で紹介する予定です。これまでのエピソードは岩手日日ホームページで公開しています。 

企画/一関市観光協会、岩手日日新聞社

地域の記事をもっと読む

一関・平泉
2025年3月17日付
一関・平泉
2025年3月17日付
一関・平泉
2025年3月17日付
一関・平泉
2025年3月17日付