新たな延焼確認されず 大船渡山林火災 3地区の避難指示解除
県災害対策本部によると、大船渡市の山林火災は8日、新たな延焼は確認されず、同市三陸町越喜来の甫嶺3地区141世帯333人に出されていた避難指示が解除された。鎮圧に向け、ヘリの偵察飛行と消防隊員らによる地上での消火活動などを続けた。
午後2時30分現在のまとめでは、地元消防本部、県内から応援部隊、緊急消防援助隊を合わせ約2100人の隊員に加え、地元消防団約90人が連携し、空中や地上からの熱源調査、残火処理を実施。引き続き24時間体制で鎮圧に向けて対応する。
避難指示の対象者は午後1時に甫嶺3地区が解除され、1340世帯3306人となっている。宮古市や陸前高田市の受け入れ施設に事前避難していた介護福祉施設利用者84人が、11日にかけて避難先から戻る予定。被災動物については一時預かりで対応してきたが、8日に旧吉浜中学校避難所でペット同行避難の受け入れを開始した。
休校が続く3小中学校については、10日から赤崎小と東朋中が自校で、綾里小が赤崎小で再開する。
県警は一部地区の避難指示解除を受け、犯罪やトラブル抑止のため24時間体制での被災地警ら、防犯カメラの設置、警戒検問、自主防犯組織の防犯パトロールなど警戒体制をさらに強化する。
激甚災害指定の見込みが表明されたことを受け、達増拓也知事は8日の対策本部員会議で「大船渡市や関係機関と連携し、焼失した森林の回復に向けた復旧事業、被災者の生活再建に向けて必要なサポートを行っていく」と述べた。