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戒名読む僧侶号泣入り彼岸 祈りのうた いわての震災詠 東日本大震災から14年

吉祥寺(大槌町吉里吉里)で2011年4月29日に行われた合同葬儀(吉祥寺提供)
戒名読む僧侶号泣入り彼岸
大槌町 古舘育子さん 72歳

【句意】吉里吉里の寺で営まれた震災犠牲者の葬儀に参列した。亡くなった人の中には若い人も、御詠歌を唱える人もいた。冷静に戒名を読み上げていた住職の声におえつが交じり、ついには号泣となった。

津波への備えをいま一度

 「津波が来るよ」。あの日、隣人の言葉にはっとしました。山間部に育ち、津波への意識が薄かったのです。津波が押し寄せ、まちをのみ込むまであっという間でした。後で聞くと、海抜13㍍の場所に住む人が義父に「ここは津波が来る」と聞いていて助かったそうです。一方で、「2日前の津波注意報では大丈夫だった」と楽観して命を落とした人もいました。寺の葬儀には、知人が亡くなったので参加させてもらいました。震災から間もない時、160人を超す戒名を住職1人で考えたことに驚きながら、冥福を祈りました。

 震災後は町民ガイドに応募し、津波の怖さを伝える活動に取り組みました。災害の記憶を風化させてはならないと感じています。

momottoメモ

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