炉端語り 衣川の方言から

入梅

【母】 6月で入梅だっかさめど。ヨシ、アキもじーちゃん、ばーちゃんもカゼを引がねぇよにすてけらんよ。食中毒もあっす。

【父】 ほだほだ梅雨前線で天気不順だっかんな。そえっつぁ衣替えすてんべぇ、んだがら。

【ヨシ】梅雨前線? この頃テレビによく出るよ。それって何?

【父】 この時期になっとな、南がらあったぎゃくておっきな空気の塊ど、北がらつめてぇこれぇまだおっきな空気の塊が日本のどごでぶつかってさ。ぶつかったその境目の根元の長い線のどごを言うのさ。

【アキ】ぶつかったら混じっちゃうよ。

【父】 空気だがらそのよだけんと混じゃんねぇで、南がらのあったぎゃのはかるけぇ(軽い)がら、北の冷てぇくておもでぇ(重い)のさ載さって坂のようになんだおさ。あったぎゃくてかるけぇのはその坂を上昇して、冷やされながらいろんな雲を作って雨を降らせるのさ。

【アキ】冷たい空気の塊とかあったかい空気の塊はどっから来んの?

【父】 冷てぇのはオホーツク海あだりで、あったぎゃのは小笠原諸島あだりって言うど。どのあだりだが地球儀で見でみんだ。

【ヨシ】あっ、どっちも日本に近いよ。いつまで続くのかなーこの天気。早く夏こないかなー。

【父】 この前線、日本上空をざっと1カ月ぐりゃーウロウロすてで、7月頃までだべな続ぐの。

【母】 北海道には入梅ねぇってゆっけ(言ってるよ)、えっちゃなー、ずめずめねぇくてさ。

構成・小野寺精一(奥州市)