炉端語り 衣川の方言から

農事始め

【祖母】春さぎの好天でかわぇでっから(乾燥しているから)、あっつこっつでごみ燃すの煙がめあーすと(見えてますよ)。そろそろハかせぎ(仕事)始めの準備だべねぇ。

【祖父】そーが、そななっかハ。そんなの見っと農家のいぎはれぇ(意気込み)感ずんなー。

【父】 枯れ葉や落づ葉処分すねぇづど、かしぇぐのさ(働くのに)邪魔だす、何よりも病害虫の巣だっかんなー。そんで燃すんだべもや。環境整備にもなっぺス。

【祖母】冬のえぇーだ(間)かしぇがねぇでっから、体にべぐ(鈍く)なってハ、すぐにかしぇげねぇべもス。こんなごどでもすて、つっとずづ動えで体慣らすすてんだえ。

【母】 そーもすねばス、春だがらって、みすとかがんのも(一生懸命になるのも)えんだけんとも、途中でがおんねぇよに(弱らないように)すねぇっきゃねぇ。

【祖父】こげらでもや、80も過ぎでで頑張ってるズミな(元気な)人えったらや。田畑荒らすてられねぇどが、かしぇげるうづかしぇんでみでぇどがでさ。見習えでぇでバ。

【祖母】こどすも種っこめぇだり草取ったりすておがすて(大きくして)ス、何ぼでも孫ださえの(良い物)かしぇでぇすっしょ。楽すみでがすちゃ。

【祖父】ほだおナ、孫だ喜んで食の見っと、おらだかしぇぐのさ勢いつぐもや。

【祖母】そーす、外さ出はってれば、日さ当だったり風に吹がれだりせぇすぺぇ? 気分えくて汗もこわぇ(疲れ)のもわっしぇでハ精神衛生さ何ぼえんだが。

【祖父】そだす(それに)かしぇぐにも何が目標あっと老げねぇ(老けない)っつす、ぼげ防止にもなんだづがらナ、んでぇハこどすもが。

構成・小野寺精一(奥州市)