われら文化部

伝統と革新の活動 部誌に力、内容充実 花巻北高文芸部

“毎日締め切り”“24時間部活動”をモットーに日々活動に励む部員

 放課後のパソコン室。画面に向かって何かを打ち込んでいる生徒たちの姿が。教室に入ると「花巻北高校文芸部です。よろしくお願いします」と元気なあいさつで迎えられた。花巻市の花巻北高校文芸部。今回のわれら文化部は彼ら5人の活動を紹介する。

 今年の3月に本企画で取り上げている同部。それから半年以上。新しい顧問の下、1年生を加えパワーアップした姿を今回取材した。新体制になった同部を率いるのは部長の菊池保絵さん(2年)。「仲良くないといい作品は作れない。(部員は)みんな気兼ねなく話し合える仲」と部活の雰囲気を笑顔で語る。

 同部のモットーは“毎日締め切り”“24時間部活動”。生徒の言葉を借りれば「常に締め切りを意識する」ことと「人間が常に働かせている感性を生かし、いつでもどこでもネタ探しにアンテナを張る」というもの。このユニークさは、小説や児童文学など個人作品制作の時はもちろん、今年度から一層力を入れ始めた部誌の制作にも生かされている。花北らしさを残しつつ、新しい物をどんどん取り入れる“伝統と革新”をコンセプトに、2017年度まで年間二つ制作していた部誌を一つにし完成度を高めるとともに、ページ数も増やし内容を充実。掲載する写真も自分たちで撮影するなどクオリティーに磨きを掛け、全国の上位を狙う。

 日ごろの努力の成果は着実に表れている。石鳥谷図書館で開催されたビブリオバトルでは1年生が参加し見事1位を獲得。県高校生文芸コンクールでは、▽児童文学▽随筆▽読書体験記―で県内最多となる3部門での最優秀賞に輝いた。2年生は1年生に対し「話しの構成が上手。得意分野だけではなく、新しいジャンルにも挑戦してほしい」と期待。1年生は「(部内の)作品批評会で先輩から出された助言を生かしてより良い作品にしたい」と共に切磋琢磨(せっさたくま)し、さらなる向上に思いを新たにしていた。

 顧問の菊池由美子教諭は「5人ごとに得意分野が違い、それぞれに“色”がある。それをきれいに出していければ。日々人間性を磨き、自分を客観視する事で人間としての重み、価値がある存在になれると思う。今の自分の存在が社会にとってどれだけの価値があるのか、そういう事を考えられる人に成長してもらいたい」とさらなる成長を願っていた。

momottoメモ

▲伝えたい思い作品へ “毎日締め切り”合言葉に