富士大 神宮へ 東北地区代表決定戦 仙台大破り4度目V
大学野球の明治神宮大会東北地区代表決定戦は24日、花巻市松園町の花巻球場で決勝を行い、富士大(北東北大学連盟代表)が仙台大(仙台六大学連盟代表)を2―0で破り、2年連続4度目の優勝を飾った。富士大は東北3連盟代表として、11月10日から開かれる第48回明治神宮大会に出場する。
試合は富士大が左腕鈴木翔天(3年)、仙台大は右腕岩佐政也(4年)の両投手が先発し、互いに持ち味を出し合い投手戦となった。
均衡が破れたのは七回。富士大は2死二塁から6番小林遼主将(4年)の右越え本塁打で2点を先制。八回からは右の加藤弦投手(4年)への継投でこのリードを守り切り、2年連続となる秋の神宮切符をつかんだ。
最優秀選手賞は小林主将、最優秀投手賞は鈴木翔投手、敢闘賞は岩佐投手がそれぞれ選ばれた。
▽決勝
富士大 000 000 200|2
仙台大 000 000 000|0
(富)鈴木翔、加藤―小林
(仙)岩佐、馬場―辻本
▽本塁打=小林(富)

投打の柱が大一番で役割を果たした。富士大はワンチャンスを物にし、2年連続となる明治神宮大会の出場権を勝ち取った。
打の主役は、日本代表メンバーにも選ばれた頼れるキャプテンだ。0―0の七回。先頭の3番楠研次郎選手(3年)が四球で出塁し、相手の挟殺プレーのミスに乗じて二塁へ。この試合初めて得点圏に走者を進めると、2死から6番小林遼主将(4年)が真ん中低めの速球を振り抜き、右翼へ決勝アーチをかけた。
投手戦の均衡を破る値千金の一発。「前の2人が倒れ、自分しかいないと思って食らい付いた」。チャンスを想定し、ミートを強く意識して振り込んできた練習成果が正念場で花を咲かせた。
先発の鈴木翔天投手(3年)は直球の感触が良く、「真っすぐで詰まらせられた。強気で押していけた」と7回を被安打2。救援の加藤弦投手(4年)も八回の1死二塁、九回の1死一、三塁のピンチをしのいで零封リレーを完成させ、歓喜の輪の中心となった。
3安打に抑えられる苦しい展開となったが、「このチームがずっと取り組んできた長打が最後に出た。4年生の意地、3年生の後押しで勝つことができた」と豊田圭史監督。我慢比べの中で集中力を発揮したナインに賛辞を惜しまなかった。
長打力のある打線、投手中心の守りで強豪を撃破し、神宮に向けて視界は良好だ。小林主将は「チーム全員で行けばどんな相手にも勝てる。いかに平常心で臨むことができるか。自分たちの野球を貫く」。「一戦必勝」の先にある悲願の日本一へ気合をみなぎらせた。
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