日日草

2020年4月3日

 「空飛ぶ団子」で知られる一関市の名勝・厳美渓の「郭公(かっこう)屋」の初代千葉酉吉はカッコウの物まねがうまく「郭公じいさん」と呼ばれていた。4代目の千葉晴夫さんは創業者の思いを酌んで団子を残すよう幼い頃から先代の母に諭されたという。その教えを胸に長年店を切り盛りした名物翁が脳出血のため73歳で逝った

▼桜のつぼみが早く膨らみ始めた今年は3月20日に営業を始めたばかり。感染が広がる新型コロナウイルスを気に掛け予防に気を配っていたというが、開店から間もなく不帰の客となった

▼その直後に飛び込んできた志村けんさんの訃報にも衝撃を受けた。「ザ・ドリフターズ」の一員として昭和の時代の子供たちの圧倒的支持を集めた「8時だョ!全員集合」に出演。テレビで活躍し今年は映画出演の予定もあったというが、70歳で生涯を閉じた

▼志村さんを死に至らしめたのは新型肺炎。テレビで見るひょうきんな姿しか思い出されないが、入院翌日から意識のない状態が続いていたといい、未知の感染症の怖さに今さらながら戦慄(せんりつ)を覚える

▼観光地の顔に国民的喜劇王。どちらも人々に癒やしや笑顔を届けてきただけに喪失感は大きい。多くの人から愛された人の死を悼み、コロナの感染防止も改めて自分事と考えたい。