日日草

2024年7月27日

 夏休みに入り、海や山から行楽の便りが届く。海水浴ならおなじみのイベントがスイカ割り。子どもの頃、タオルなどで目隠しをして何度か挑戦した覚えがあるが、うまく割れた試しは一度もない。とはいえ包丁で切り分け、海辺で食べたスイカの味は格別だった

▼スイカと聞いて思い浮かぶのは皮が付いて三角やくし形に切られたものだが、最近はスーパーなどでブロック状にカットされ、パックに入ったスイカを見掛ける。切る手間がなく、食べやすいため自然と手が伸びる

▼スイカなどカットフルーツの販売が近年増えているという。家族が少なく、野菜や果物を丸ごと買うことがほとんどないためこうした売り方はありがたい。中には、種が小粒で肉が硬く、切った時に出る汁が少ないブロックカット向きの品種というのもあるらしい

▼27日は「スイカの日」。甘さとみずみずしさが魅力だけに、水不足が騒がれ記録的な暑さが続く今年は作柄を心配したが、幸い品薄などの話は聞こえてこない

▼紛争がやまないパレスチナでもスイカは古くから身近な果物。自治政府の旗と同じ配色のため抵抗や連帯の象徴にもなっているという。イスラエルによるガザ地区侵攻から9カ月。幼い頃の記憶を呼び起こすほんのりした甘さとはほど遠い現実もある。