日日草

2024年6月19日

 買い物に訪れたスーパーの一角に大玉のスイカが並んでいた。近くには高根の花「佐藤錦」に代表されるサクランボ。夏を感じさせる露地物、農業用ビニールハウスの野菜、果物が売り場に徐々に増えると、季節の移り変わりを感じる

▼生産者が愛情を込め大切に育てた農作物。それぞれの旬の時期を迎え、収穫の喜びはひとしおで、わが子を送り出すように作物を市場に送り出していることだろう

▼だが、苦労を踏みにじる卑劣な犯行が全国で後を絶たない。収穫を目前にした農作物ばかりを狙った窃盗事件。それも大量にとなれば生産者の落胆は計り知れず、心情を察するに余りある

▼茨城県で先月、ハウス内で育てていたメロン約500玉が盗まれた。今月には山形県内の園地でサクランボの実約10キロが軸ごともぎ取られているのが見つかった。京都府では伝統野菜の九条ねぎ約100キロが盗難被害に遭った。監視の目が行き届かない夜間か早朝に起きたとみられ、相次ぐ報道に怒りが込み上げる

▼前出の果実。出がけに加え、物価高騰の影響もあって店頭価格は割高感が否めないが、生産者への応援として消費者ができるのは、少々高くても購入しおいしくいただくこと。それが産地の盗難防止の強化に少しでも役立つなら言うことはない。