日日草

2018年4月20日

 畜産を営む友人から先日聞いた出来事。深夜に家族全員がぐっすりと眠っていたため近隣の火事に気付かず、牛が騒ぎだして目が覚め、慌てて起きた。そのおかげで大事に至らなかったという

▼火事で怖いのは乾燥と風だ。強風にあおられ、畜舎の板塀や稲わらに飛び火すれば一気に燃え広がる。春は空気が乾燥しやすく、建物だけでなく林野火災も毎年多発する。今月半ばに宮古市田老地内で発生した山火事も乾燥と風の条件が重なった

▼自衛隊や消防署などが出動し上空と地上から消火活動を行ったが、強風で各地から煙が上がったという。幸いにもけが人は出なかったようだが、乾燥と強風の両注意報が発令されていたさなかの出火で被害拡大が心配された。結局鎮火までに5日かかり、約30ヘクタールが焼損したとみられる

▼昨年発生した県内の山火事は44件で、総面積約423ヘクタールを焼失した。前年より件数は減ったが、焼失面積が40倍以上と激増した。自然発火はめったになく、ほとんどが人災。野焼きは細心の注意が必要で、その場を離れる際は火を完全に消すのは言うまでもない

▼県内の山火事防止運動月間が5月末まで続く。今後も山菜採りやレジャーで入山者が増えることから、各消防団や婦人消防協力隊などは山火事防止パレードや林野巡視で注意喚起に努めている

▼雪解け後の山々は若葉で新緑が広がる。それが焼け焦げて山の役割を失うのは避けたい。昨年、山火事の鎮火現場を見た際、巻き込まれた家々が痛々しかった。大事に至らないための備えは難しい。やはり地道な予防啓発が最も効果を挙げそうだ。