日日草

2018年8月17日

 「縄文女子」という言葉を聞いた。遮光器土偶や火焔(かえん)型土器など「縄文の美」が若い女性の間でブームになっているという。縄文をテーマにしたフリーペーパーの刊行やドキュメンタリー映画の公開などもあり、世界遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の後押しになればと期待する声も出ているようだ

▼東京・上野の東京国立博物館は9月2日まで特別展「縄文-1万年の美の鼓動」を開催中。「縄文のビーナス」など国宝の6件をはじめ各地から集めた土器や土偶、石器、装身具などを展示、約1万年に及んだ時代の美を紹介する

▼縄文の美を再発見したのは戦後を代表する芸術家岡本太郎だったという。1952年縄文土器に出会った衝撃を「縄文土器論」として美術誌「みづゑ」に発表。考古学的解釈ではなく、縄文土器の造形美などに芸術的価値を見いだしたとされる

▼縄文の出土品が初めて国宝の指定を受けた40年以上も前に縄文の価値を評価した岡本は毎年8月に「縄文の炎・藤沢野焼祭(のやきまつり)」を開催している一関市藤沢町と縁が深い。旧町時代の1990年と91年の2回、縄文野焼きを再現する祭りに参加し「ここには縄文人がたくさんいる」との名言を残した

▼祭りへの参加をきっかけに岡本は火焔型土器の造形を思わせるブロンズ像「縄文人」を同町に寄贈。像は地域の芸術文化の拠点「縄文ホール」の前に設置され、町のシンボルとなっている

▼今年も11、12の両日藤沢野焼祭2018が開かれ、11基の穴窯で761点の作品が焼かれた。現代の縄文人たちにはいつまでも縄文の炎を燃やし続けてほしい。