日日草

2019年10月16日

 社会の各分野で自動化が進み職人と呼ばれる人が少なくなった。新聞社も制作現場を支えてきたのは職人。かつては急なニュースが飛び込んできても記事が印字されたフィルムを切り貼りし、手品のように紙面を組み上げる達人がいたりした

▼時代は移り、今や新聞制作は多くをコンピューターに頼る。本紙も1997年に新聞制作システム(CTS)の運用を開始。その後も順次システムを更新し、より見やすい紙面を読者の皆さまにお届けすべく改善を重ねてきた

▼16日からは長年親しんでいただいた1面15段編集を12段編集に変更。見出しや記事に使う文字は大きくなり、写真の画質も向上した。字数が少なくなっても情報量は減らさないよう作り手の側も研鑚(けんさん)が必要なことは言うまでもない

▼23年に「夕刊いちのせき」として産声を上げた岩手日日は今年創刊96年。戦時中の1県1紙統合、カスリン・アイオン台風による社屋の壊滅的被害、各地でインフラが停止した東日本大震災…。発行の危機にも何度か直面したが、ガリ版刷りの特報や特別編集の紙面で紙齢をつないできた

▼震災の後、停電などで情報が遮断された際に痛感した新聞の使命。職人が少なくなっても、真摯(しんし)に新聞の制作に取り組む職人気質は守り続けていかなければならない。