日日草

2019年4月19日

 産業革命の原動力となった蒸気機関。蒸気ポンプや揚水機などを動かし、日本の近代化を牽引(けんいん)した。大正時代の蒸気ポンプを今も年1回披露しているのが一関市大東町の蒸気ポンプ保存会と市消防団大東地域第3分団。稼働する蒸気ポンプとしては県内唯一で、今年も春の全国火災予防運動に合わせて放水を行った

▼1920年に導入された蒸気ポンプは48年まで現役で活躍。その後は故障などもあってしばらく使われなかったが、74年に修理・復元。近年は専ら地域住民への防火啓発のため活躍する

▼蒸気で動くもので、多くの人にとってなじみがあるのは蒸気機関車(SL)だろう。JR東日本が東北の復興支援と地域活性化を目的に復元し、2014年から釜石線で運行しているのが「SL銀河」。今年は東北本線盛岡―一ノ関間でも初めて運行し沿線住民らを沸かせた

▼県などが主体となって展開する観光キャンペーン「いわて幸せ大作戦‼」のオープニング列車として企画。沿線主要駅ではおもてなしイベントを開催し、一関市内でも住民らが通過予定時刻の前から沿線付近に立って横断幕を掲げたり、手を振ったりして初運行を盛り上げた

▼明治、大正、昭和と三つの時代を走り抜けたSLだが、鉄道の電化・ディーゼル化に伴い徐々に姿を消し、JRは旧国鉄時代の1970年代に営業運転を全廃。一方で全国的なブームなどからSLの人気が高まり、今も現役で走っている車両も少なくない

▼新幹線のようなスピードやスマートさはないが、煙を吐いて汽笛を鳴らしながら走る姿はいかにも力強い。復興を牽引してほしい。