日日草

2019年2月15日

 亥(い)年ということで話題が続いている一関市花泉町の亥年(いのとし)集落。先日開かれた「岩手・一関第12回全国わんこもち大会」でも同集落の岩渕恭史さんが大会新記録の102杯を平らげて個人総合優勝を飾り、地域の盛り上げに一役買った

▼同町涌津地区にある世帯数40の小集落。亥年といっても干支(えと)との関わりはないようで、かつて涌津にあった「猪閉館」という城の名前が地名として呼ばれるようになったらしい

▼由来はいずれにしても集落の名前がそのまま干支の名とあって縁起がいい。今年は住民がイノシシをかたどった手作りのみこしを担いで元朝参りを行い、1年の安寧を祈願。新年会でも「縁起物」のいのしし汁を味わうなどして交流を深めた

▼県内には一関市萩荘の「赤猪子(あかいのこ)」や花巻市石鳥谷町の「猪鼻(いのはな)」など「猪」の文字が入る地名が他にもある。赤いイノシシの子に由来するという説や地形がイノシシに似ているといった話など諸説あるが、どれもいわれははっきりしないようだ

▼イノシシの生息域は近年広がりを見せ、2017年度は県内の捕獲頭数が過去2番目の80頭に達し、農業被害額も1000万円を突破。愛知県などで感染が拡大する「豚コレラ」は野生のイノシシがウイルスを媒介したと疑われるケースも多いといい、なかなかの厄介者だ。半面外見の印象からかどこか憎めない動物でもある

▼「亥年集落を盛り上げられたら」とわんこもち大会に臨んだ岩渕さんの優勝に地元も沸いたことだろう。少子高齢化や人口減で地域の活力維持が難しい時代だが、地元愛に満ちた人たちがいる地域はやはり元気がある。