ものづくりの将来は 北上 全国若手シンポ 職場環境から考える
「第13回全国若手ものづくりシンポジウムinきたかみ2017」は27日、北上市大通りのブランニュー北上で始まった。初日は基調講演やパネルディスカッションが行われ、今後のものづくり産業や働きやすい職場について共に考えた。
市産業振興アドバイザーで明星大経済学部教授、一橋大名誉教授の関満博氏が監修する全国の若手経営塾「関塾」などが中心となり毎年各地で開かれている。北上では官民の実行委(会長・小原学北上ネットワーク・フォーラム代表)が主催して9年ぶりに開催。全国の塾生や県内の企業、行政の関係者ら約150人が参加した。
関氏が「オープンイノベーションで変わる地域産業の未来」と題し基調講演。続いて、関氏をコーディネーターに漆㟢照政氏(北海道函館市、メデック代表取締役)、藤田幸二氏(鹿児島県霧島市、藤田ワークス代表取締役)、碓井浩太郎氏(北上市、ウスイ製作所代表取締役)が登壇し「若者が働きたくなる職場はどんなトコ?」をテーマにパネル討議した。
漆㟢氏は「社員の3分の1が女性で営業、設計、組み立てもやっている」と紹介し、藤田氏は「『社員重視』が第一。働く場があることが地域貢献になり、会社の成長が社員、地域の成長につながる」と力説。碓井氏も「パートの女性は子供の関係で休むこともあるが互いに仕事をカバーし、責任ある仕事を引き受けるようになった」と事例を語った。
関氏は「女性の事情に合わせ、フレックスにしている企業は採用に困っていないようだ」と指摘した一方、「大卒は皆『地元に就職の場がない』といい、大卒を要らないという企業もある」と問題を提起した。
漆㟢氏は「大卒は内定を出しても入ってくれないが、高専は確実に入ってくれる」と実情を語り、藤田氏も「新卒を取りにくいのは中小企業の宿命。3~5年大手で働き、地元に帰ってきた人を狙う」と説明。碓井氏は、魅力的な生産現場について「社員の得意な面を伸ばし、苦手な面を共有しサポートし合うこと」と持論を語った。
参加者は28日、きたかみ・かねがさきテクノメッセ、沿岸被災地を視察する。