北上・西和賀

文化交流懸け橋に てぃんぬむい 市民と共演 17日、区切りの舞台【北上】

17日の「てぃんぬむい」の公演に向け、沖縄ダンスの受講者を指導する矢貫さん(中央)

 東日本大震災後に本県沿岸部などを訪れ、演舞で復興を支援してきた沖縄琉球舞踊団「てぃんぬむい~星結踊~」は、17日の北上市での公演を区切りに活動の主軸を支援から交流に移す。沖縄県出身の団員で、活動をきっかけに市内で勤務している矢貫早弥さん(25)は、縁を育んだ市民とも共演する特別な舞台に、万感を込めて準備を進めている。

 てぃんぬむいが取り組む現代版組踊(くみおどり)は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された沖縄の伝統芸能・組踊をベースに、ミュージカル調に仕立てた舞台。琉球空手やエイサーなどの動きを取り入れた踊りや歌も見どころ。

 矢貫さんは震災後の2012年、沖縄の仲間と陸前高田市を訪れて演舞。「また来てほしい」との住民の声に応え、てぃんぬむいを結成した。以来沿岸部などを再訪し、被災地支援に取り組んできた総合型地域スポーツクラブ・NPO法人フォルダのある北上市でも披露してきた。

 この縁で矢貫さんは15年、フォルダに就職。一方結成から6年近くたち、当時学生だった団員も就職などでこれまでと同規模での来県は難しくなり、今回の公演を企画した。

 上演するオリジナル脚本「結~ゆい~」は、沖縄の女子大学生が主人公。1719年の琉球にタイムスリップし、組踊が誕生した現場に立ち会う―という粗筋。

 昨年矢貫さんに鬼剣舞を指導したつながりから、同市の滑田鬼剣舞保存会が共演。高橋忠男会長は「保存会の若手も矢貫さんとの交流で刺激を受けている。沖縄の方々との共演も良い機会になるだろう」と期待する。

 また、フォルダで矢貫さんがコーチを務める「沖縄ダンス」を学ぶ小中学生10人も出演。小向莉子さん(南中1年)は「疲れている時も、全力のコーチやみんなに元気をもらえる。沖縄の農作業を基にした踊りをリアルに表現したい」と意気込む。

 矢貫さんも「また来る約束ができないだけで、支援活動自体も終わりではないが、これからも文化交流の懸け橋になりたい」と力を込める。

 公演は同市さくら通りの市文化交流センターさくらホールで午後6時30分開演。入場料は一般2500円、高校生以下1500円。

 問い合わせはフォルダ=0197(72)7048=へ。

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