白熱 雨中のレース 福の市「いす―1GP」に沸く【一関】
いちのせき商業まつり「福の市」(実行委主催)は27日、2日間の日程で一関市の大町通りを歩行者天国にして始まった。初日はキャスター付き事務椅子をマシンに商店街を走る「いす―1GP一関大会」が特設コースで催され、出場者が雨の中2時間にわたって白熱したレースを繰り広げた。
同GPは地域の商店街の衰退に危機感を持った京都府京田辺市のキララ商店街が2010年に初めて企画。一関大会は県内では先駆けで、15年から開かれている。4回目となる今回は一関市をはじめ盛岡、花巻、釜石各市や、宮城、山形両県からも出場し、21チーム総勢63人で優勝を争った。
出場者は、大町商店街に設けられた1周約180メートルのコースに、1チーム3人で交代しながら2時間の耐久に臨んだ。1人で多くの距離を走ったり、1人1周で細かく休憩を挟んだり、戦略はチームによってさまざま。事務椅子の車輪が外れたり、転倒する人が続出したりしながらも、全チーム完走した。軽快な実況や観客の出場者を鼓舞する応援などで会場は盛り上がった。
優勝したのは山形県の会社員で構成する「特攻野郎Dチーム」で、メンバーの亀田幸基さん(46)、佐藤大助さん(42)、星川俊之さん(31)は4年前に地元で開催された大会で競技に魅せられ、各地の大会に参戦しているという。主将の亀田さんは「雨だったがペースを落とさずに走り切れたのが優勝につながった。毎週1回会社などで練習してきた成果」と喜び、「一関大会は3回目だが、毎回観客が多く温かい声援をくれるのでうれしい」と話していた。