一関・平泉

磐乃井で酒造り 宮城・登米総合産業高 仕込み体験、販売へ【一関】

磐乃井酒造で日本酒造りのノウハウを学ぶ登米総合産業高校の生徒
実習田で栽培、減農薬米使用

 宮城県登米市の登米総合産業高校(大内栄幸校長)は2018年度、一関市花泉町涌津の磐乃井酒造とコラボレーションし、同校で栽培した「ひとめぼれ」を使った日本酒造りを行っている。農産物の加工品開発に関心を高めることなどを目的とする2年目の取り組み。26日は同酒造で生徒が酒の仕込みを体験し、日本酒造りのノウハウを学んだ。

 同校は15年に開校し、JAS有機米(無農薬・無化学肥料米)の生産などに取り組んでいる。日本酒造りは同校が同酒造に協力を依頼し、実現した。

 今年度の日本酒造りには、生徒が同校の実習田で減農薬農法で育てた特別栽培米約150キロを使用。同日は農業科作物専攻班の3年生5人と教諭が同酒造を訪問し、仕込みタンクの準備、こうじ作りなどの工程を体験した。

 生徒たちは社員の指導を受けながら、蒸したひとめぼれや水などをタンクに入れ、櫂棒(かいぼう)を使ってゆっくりと混ぜ合わせて「もろみ」を作った。室内温度が35度ほどに保たれたこうじ室で、こうじ菌をコメになじませる作業にも挑戦。菌が均一に繁殖するよう丁寧にもみ込み、酒造りの魅力を肌で感じていた。

 伊藤和寿君(18)は「思っていた以上に蒸したコメが熱くて大変だった。こういった体験をさせてくれる酒造は少ないと聞いたので、貴重な経験になった」と勉強になった様子だった。

 同酒造の阿部徳彦代表取締役は「学習を通じて、日本酒造りに興味、関心を持ってもらえたらうれしい。減農薬でコメを育てるのは大変だと思う。その苦労に見合うだけの日本酒を造りたい」と話していた。

 日本酒は約220リットルを仕込む予定で、完成品は特別純米酒の辛口となる。同校によると今後、生徒たちで名前やラベルのデザインを考え、同酒造や宮城県内の小売店で販売する。

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