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いじめ撲滅へ広がる地域の輪 ピンクシャツデー SNS発信や体験イベント【岩手】

盛岡YMCAのピンクシャツデー特別企画でタグラグビーを楽しむ参加者=24日、盛岡市内

 ピンクのシャツや物を身に着けることで、いじめに反対する姿勢を示す「ピンクシャツデー」。今年は27日で、盛岡YMCA(魚住英昭理事長)ではインターネット交流サイト(SNS)を使ったいじめ反対のメッセージ発信や、体験イベントなどを通じて、いじめ撲滅に向け地域の輪を広げている。

 ピンクシャツデーは2007年にカナダでピンクのシャツを着て登校した生徒がいじめられた出来事がきっかけ。他の生徒がインターネットでピンクのシャツでの登校を呼び掛け、数百人の生徒が賛同。これを機にピンクの物を身に着けていじめに反対する活動を行う動きが世界に広がり、2月の最終水曜日に各地で実施されている。

 全国のYMCAに先駆け、盛岡YMCAは15年からこの活動に取り組んでいる。県内でいじめを苦にした生徒の自殺が相次ぎ、地域の青少年のために何かできることはないかと考えたからだ。

 2月最終水曜日を中心に、盛岡YMCA実施のプログラムに参加する子供たちはピンクの服や小物を身に着けたり、運営する学童保育の児童には地域のボランティア団体による絵本の読み聞かせなどを通じていじめについて考えを深める。

 子供たちだけでなく趣旨に賛同する大人たちにもピンクの物を身に着けた写真をメッセージと共に送ってもらい、フェイスブックに掲載することでいじめ防止のメッセージを地域社会に発信する。

 コミュニケーションに着目した特別企画も実施し、今年は盛岡市の盛岡スコーレ高校で県内の高校生や大学生、ボランティアら約30人が「タグラグビー」を体験した。助けたり助けられたりする体験を通じ、自分のこととしていじめに向き合い、当事者以外の人も傍観者にならないでほしい―というメッセージが込められている。

 連絡用に開設したLINEやツイッターは悩みを持つ子供たちの相談窓口としても対応。盛岡YMCA向中野センター所長の小川嘉文さん(36)は「こういった取り組みがいじめを考えるきっかけになり、いじめをなくしていくための第一歩になれば」と話している。

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