保存会へ選択書伝達 無形民俗文化財の倉沢人形歌舞伎 伝承継続誓う【花巻】
文化庁から「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択された花巻市東和町の倉沢人形歌舞伎保存会(菅野芳治代表)に26日、選択書が伝達された。今後は同会と市教委文化財課が連携し、関係資料や映像記録の保存・収集などを進める。
伝達は市役所石鳥谷総合支所で行われ、同会の菊池峰雄副代表(63)、下林育男幹事長(70)が出席。佐藤勝教育長が文化庁長官からの選択書を手渡し、「生活文化と芸能が結び付いていること、民俗芸能として地域に根付いていること、地域のバックアップなどが高く評価されたと思う。国で共有する文化財として注目を浴びることは市としても誇らしく、発信していきたい」と語った。
菊池副代表は「非常に重みを感じるが、だからといって何かができるわけではない。高齢化や後継者に関して危機感もあるが、これまで通りに続けていく」、下林幹事長は「高みを目指すのもいいが、継続して伝承していきたい。伝統を絶やさないように後継者づくりに取り組んでいきたい」と話していた。
同市東和町倉沢に伝わる県指定無形民俗文化財の倉沢人形歌舞伎は、倉沢生まれの菅野常次郎が1894(明治27)年に創始。歌舞伎の上演内容を人形で演じるのが特徴で、菅野家の旧宅を改装した伝承館で毎年11月23日に行われる定期公演には県内外から多くのファンが足を運ぶ。保存会員は現在14人。