北上・西和賀

生きづらさ、悩み分かち合い 引きこもりを支援 北上・後藤誠子さん 来月からフリーランスで活動

4月からフリーランスで不登校や引きこもり関連の支援活動を始める後藤さん。「支援の草分けになれたら」と展望する

 北上市常盤台の後藤誠子さん(52)は、4月からフリーランスで不登校や引きこもり関連の支援活動を始める。当事者が気軽に集まれる居場所の提供や全国ネットで聴けるラジオ番組の制作に関わる予定で、「当事者と地域をつなぐ引きこもり支援の草分けのような存在になれたら」と展望する。

親の会で前向きに

 後藤さんは、多機能型事業所に通所する次男(25)と2人暮らし。数年前、学校や仕事に行けない「社会的引きこもり」状態になった次男との関係に悩み、当事者の親の会に参加した。そこで出会った同じ悩みを抱える親たちに励まされたことで前向きになり、親子仲も次第に改善されていった。

 親の会の活動をきっかけに2019年1月から北上市のコミュニティFMで引きこもりをテーマにした番組「1人じゃないから」のパーソナリティーを担当。同年夏には当事者を地域で支え合うための「笑いのたねプロジェクト(ワラタネ)」を立ち上げ、交流会やトークイベントを企画するなど精力的に当事者と支援者をつなぐ機会を創出している。

誰もが立ち寄れる場を

 これまで仕事と支援活動を両立してきたが、今月末で仕事の契約が切れるのを契機に、新年度からフリーランスでの活動を決意。当初は知人の提案で会社設立も考えたが、次男の助言を受けて型にはまらない柔軟なスタイルで支援事業に取り組むことにした。

 具体的には、昨夏から開催する当事者会「ワラタネスクエア」の会場を市街地中心部にあるコミュニティーサロンきずな(同市本通り)に移し、回数を月1回から水、土曜の午後の週2日に拡大して開設する。不登校や引きこもりに特化せず、心身に疲れを感じている人など誰もが自由に立ち寄って過ごせる居場所づくりを目指す。

地域FMで呼び掛け

 花巻市のコミュニティFM「えふえむ花巻」でも4月から月2回、不登校や引きこもりを題材にした生放送番組のパーソナリティーを務める予定。番組はインターネットで同時配信するサイマル放送でも聴くことができ、全国のリスナーと情報を共有しながら交流を広げたい考えだ。

 フリーランスでの活動について「今までは日中に仕事をしていたので電話に出られなかったり、ゆっくり話を聞けなかったりして申し訳なく思っていた。これからは対応が可能になるので1人で悩んでいる人は勇気を出して連絡してほしい」と呼び掛ける。

 今後は有料の家族相談会の開催や当事者会の開設日の追加なども検討していく。後藤さんは「ボランティアで全部やろうとすると続かないもの。少しでも利益が出てそれを仕事にしていけたらいいし、自分と同じようにやってみたいという人が出てくれたらうれしい」と話す。

 新設する当事者会「ワラタネスクエア」の参加料は当事者200円、それ以外が300円。来月1日が初回。後藤さんが出演するえふえむ花巻の番組は来月10、24の両日午後6時15分からの放送予定。

 各種事業に関する問い合わせは後藤さん=090(4888)1210=へ。

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