いわて雪まつり 半世紀の歴史に幕 代替イベント検討へ
本県の冬季を代表するイベント「いわて雪まつり」の実行委員会(会長・猿子恵久雫石町長)は31日、同町内で総会を開き、雪不足や来場者の減少などを理由にまつりの終了を正式決定した。半世紀以上の歴史があり、県内外から訪れる多くの観光客を楽しませてきた冬の風物詩が幕を閉じることになった。町は今後、冬季誘客の代替イベントを検討していく方針だ。
総会には、盛岡、滝沢両市を含む関係者ら約40人が出席。事務局の町は、近年の来場者減少や暖冬傾向による雪不足、会場設営の困難さのほか、事業費やスタッフの確保などの課題を挙げた上で、有効な改善策を見いだせず、雪まつりの「継続は困難と判断した」と説明した。雪まつり終了と実行委解散に関する提案に対し異議は出ず、原案通り承認された。
猿子町長は「温暖化の影響で雪を使ったイベントは難しくなった。個人的にも毎年のように訪れていただけに、雪まつりを終えるのは寂しい」としつつも、「今後は町独自で雪にとらわれない子供が楽しめるような代替イベントを検討し、雪まつりを超えるような、集客ができるような冬のイベントを企画したい」と述べた。
雪まつりは1968年、同町の小岩井農場をメイン会場にスタート。巨大な雪像や大型の滑り台、かまくらなどが人気を博し、県内外から毎年大勢の観光客が訪れた。2008年には30万人超の来場者があるなど、本県の主要な冬季イベントとして長く県民に親しまれてきた。
しかし、雪不足の影響で18年以降は主会場が同町の岩手高原スノーパークに移り、盛岡、滝沢両市を含めて分散開催された。21、22年はコロナ禍で中止されたため、結果的に最後となった53回目の20年は来場者が10万人ほどと7年前の約3分の1にまで落ち込み、継続は困難との声も上がっていた。