出水時の備え万全に 磐井川で水防工法訓練 東北地方整備局【一関】
国土交通省東北地方整備局の2022年度水防技術講習会は20日、一関市磐井町の磐井川右岸で開かれた。東北各地の水防担当職員や水防団員ら約50人が参加し、出水時に備えてさまざまな水防工法を訓練した。
講習会は東北6県の持ち回りで毎年開かれ、水防団員をはじめとする水防担当者の技術向上とリーダーの育成が目的。開講に当たり、同整備局河川部の齊藤正道水災害予報センター長は「習得した技術を水防のリーダーとして皆さんにお披露目していただければ幸い」とあいさつした。
本県をはじめ青森、秋田、福島、宮城の各県から河川国道事務所や消防の職員、水防団員らが参加。防災エキスパートを講師に▽縄結び▽土のう拵(こしら)え▽月の輪工法▽シート張り工法―に取り組み、修了後に「講習修了証書」が交付された。
このうち、月の輪工法では、堤防の亀裂から河川の水が漏れ出したと想定。漏水口を囲むように土のうと土を積み重ねて鉄杭(てっくい)で固定し、排水管を設置する訓練が2班に分けて行われた。
地元の一関市からは市消防本部消防課と一関南消防署、水防団の市消防団花泉地域本部から合わせて9人が参加。佐々木亨花泉地域本部長は「花泉では今年、油島の夏川から水が漏れたため、月の輪工法を行った。増水すると作業しづらく、離れた場所から土のうを運ぶので人手も必要。いざという時のために訓練しておかないと大変になる」と実感を込めて語っていた。
