若者地元定着へ提案 岩谷堂高3年生2人 市と協働で卒業研究【奥州】
地域活性化をテーマに卒業研究に取り組む奥州市江刺の県立岩谷堂高校(軍司悟校長、生徒288人)の3年生2人は18日、市役所で市職員との意見交流会に臨み、若者の地元定着につなげるため市ホームページ(HP)の企業紹介について改善を提案した。
提案したのは人文自然系列の及川彩希さんと沼田雅さんで、4月から研究を進めてきた。1回目の意見交流会を8月に開き、助言を基に課題解決案を絞り込んだ。
研究では、地元の職業などを分かりやすくまとめた広報物があれば仕事や地域の魅力を知るきっかけになると考え、具体案につなげた。地元で菓子製造を主に手掛ける回進堂を取材し、HPのモデルイメージを作成。高校生の目線で掲載情報を▽企業概要▽仕事のやりがい▽求める人材▽市の魅力―に絞り、文字を羅列するのではなく、ビジュアルを重視して引き付ける方向性を示した。
最終回となった同日の意見交流会には、3課の職員5人が参加した。佐々木啓二企業振興課長は「新しいことをするのに限りがある現状だが、具体的な案を頂き刺激になる。これからも市政に関心を持ってほしい」と総括。沼田さんは「市職員の方と一緒に考えたことが良い経験になった」、及川さんは「自分たちだけで形にできるプランではなかった。意見交流ができてありがたい」と協働の体験を振り返った。