地域防災人材育成へ テント設営、心肺蘇生体験 二子・初のマイスター講習会【北上】
北上市の二子町自主防災推進協議会(川邊董会長)は17日、二子町自主防災マイスター講習会を二子地区交流センターで開いた。参加者は実践形式の防災講座や救命講習などを通して、地域防災力の向上へ意識を新たにした。
同協議会は災害時に適切で迅速な対応を図り、住民相互の助け合いができる地域を目指し、2021年9月に町内13の自主防災会を統括する組織として発足した。
講習会は、複数の防災リーダーを育成することで役員交代などによる防災体制の低下を防ぎ、継続・強化していくことを目的に初めて企画されたもので、修了者を町の自主防災マイスターとして認定する。
同日は同協議会役員のほか、各地域の自主防災会長や区長、民生委員・児童委員ら約30人が参加。防災講座では、市危機管理課の鬼柳俊係長が「感染症対策を踏まえた避難所運営」をテーマに、同センターを避難所として利用した場合、どのようなレイアウトが考えられるかなどについて解説した。新型コロナウイルス下では、通常の避難者と体調が優れない避難者を分け、出入り口を分けて一方通行にすることが示された。参加者は、最も密になりやすい受付をどのようにするか、いかに手際よく間仕切りテントを設営するかなどについて実践しながら学びを深めていた。

救命講習では、北上消防署村崎野分署の髙橋剛さんらの指導で、人形を使った心肺蘇生法や自動体外式除細動器(AED)の使用法などを体験。参加者は気道確保の仕方や、胸骨圧迫の仕方などを一つ一つ確認するように何度も手順を繰り返していた。
川邊会長は「『自主(みずから)共助(ともに)命を守る二子町』のスローガンを形にするには、日ごろから防災への意識を高く持つことが大切。自治会役員には任期があるが、町独自の自主防災マイスターは生涯有効であり、今後認定者が増えることで防災に関心の高い地域になるはず」と期待した。