豊かな味わい期待 「寒ざらしそば」仕込み 冷水漬けた実、屋外乾燥 西和賀産業公社
冷たい水に浸したソバの実を寒風にさらす「寒ざらしそば」の仕込みが、西和賀町内で進められている。同町上野々の西和賀産業公社の製造工場で30日、ソバを乾燥させる作業がスタートし、従業員が豊かな味わいに期待を込めた。
寒ざらしは、極寒の気候風土を生かした手法で、秋に収穫した町内産の新そばを冷水に約1週間漬けた後、寒風に1週間ほどさらして乾燥させる。
江戸時代には玄そばを種子として保存するために行われ、冷水に漬けることであくや雑味が抜け、寒風により甘みや風味が増すとされる。
同日は雪が舞う中で、従業員が水に浸したソバの実の袋を引き揚げ、外に置いた棚に並べた。作業は2023年1月末まで続く見込みで、約1トンを仕込む計画だ。
同公社によると、22年度の西和賀そばの栽培状況(同公社扱い分)は作付け面積が約133ヘクタール、収穫量は約64トンとなっている。23年2月11日の「雪あかりinにしわが」に合わせ、湯夢プラザや道の駅錦秋湖で半生麺の販売を予定しているほか、町内の飲食店で提供される。
同公社の廣瀬稔生産加工課長は「天候などにも恵まれ、例年同様に品質は良い。西和賀の風物詩を多くの方に味わっていただきたい」と話している。