前潟駅3月18日開業 にぎわい創出に期待 JR田沢湖線【岩手】
盛岡市とJR東日本が、JR田沢湖線盛岡―大釜間の盛岡市上厨川前潟地内に新たに整備を進めている「前潟駅」は、3月18日に開業することが決まった。商業施設「イオンモール盛岡」に隣接した無人駅で、買い物や通勤・通学での利用が見込まれ、交通利便の向上や地域活性化、にぎわい創出が期待される。
新駅の設置は地元の陳情を受けて市が2020年1月、JR東に請願書を提出。市とJR東が基本協定を締結し、21年12月に駅前広場の工事に着手。22年4月には駅舎整備の工事を本格的に開始した。
市などによると、新駅はイオンモール盛岡北側の敷地1200平方メートルに鉄骨平屋建ての駅舎を整備。待合室や階段、バリアフリーに対応したスロープを備えた駅舎にホームを含めた延べ床面積は約410平方メートル。
ホームは4両編成の列車が停車可能な延長85メートルで、その上に長さ約40メートルの屋根を掛ける。駅前広場には、一般車両からの降車や身体障害者の乗降、タクシー待機のためのロータリーを設けるほか、バイク置き場、駐輪場、トイレを備える。総事業費は約11億8000万円。市は通勤・通学や買い物などで、1日当たり約1700人の利用を見込んでいる。
新駅開業を控え、市交通政策課の清水治課長は「公共交通である鉄道の利用を促進することは、渋滞緩和や二酸化炭素の排出削減など、人口減少社会の中で持続可能なまちづくりにつながる。にぎわいも創出されるため、地域の拠点化によるまちづくりと活性化が図られることを期待している」と話す。