相手の立場考え行動 服飾、仕事、人生説く 専大北上高で菊池さん
北上市新穀町の専大北上高校(阿部伸校長、生徒749人)で26日、グローカルビジネス科1年生を対象とした出前授業が開かれた。同市本石町で海外物の古着などを扱う店「ACIDHOUSE(アシッドハウス)」のディレクター菊池亮太郎さん(39)が、社会人としての心構えや生き方などについて、自らのエピソードを交えながら分かりやすく説いた。
出前授業は、商業科3年生の荻野柚樹さんが同店に立ち寄った際に興味を抱き、「ぜひ授業の機会を設けてほしい」と阿部校長に直談判して実現したもの。同日はグローカルビジネス科1年生53人のほか3年生数人も受講した。
同市出身の菊池さんは、東京都内の大学を卒業後、服飾関係の企業や商社で働き、2022年に同店をオープンした。授業では、事前アンケートで寄せられた質問に答える形で、服飾、仕事、人生などの項目別に講話した。
服飾に関しては、「サンプル制作と修正を何度も繰返して量産となり、多くの人が携わる分、難しくておもしろい業界」とした上で、「最近はインスタグラムなどで瞬時に情報が拡散し、流行の“賞味期限”が早くなっている」と解説。仕事上の失敗事例についての問いには「仕入れ量と販売実績の差など毎日が失敗の連続とも言えるが、トライ&エラーで前に進むことができる」と話した。
仕事上の心構えについては「相手側の立場になって考え行動することに尽きる。これは皆さんの日常生活でも大事なこと」と語り、「夢を叶えるには、失敗を恐れず挑戦すること。悩み事は周りの人を巻き込むことで解決できる」と、生徒たちを勇気づけた。
荻野さんは「洋服ができるまでのエピソードが興味深かった。Supreme(シュプリーム、若者を中心に人気のファッションブランド)とも仕事をしたことがあると聞いて驚いた」と興奮気味に話していた。