常設展示 6倍楽しく 市立博物館で解説会【北上】
北上市立博物館の常設展示解説会「博物館を6倍楽しむ方法」の2回目は1月29日、同館で開かれ、参加者が江釣子古墳群、国見山廃寺の「北上の古代」について理解を深めた。
同22日から毎週日曜日に6回コースで開講。2回目は同館前館長で岩手大平泉文化研究センター客員教授の杉本良さん(61)が講師を務め、約20人が参加した。
杉本さんは江釣子古墳群について「古墳群としてまとまっているが、個々の古墳の規模はそれほど変わらない。王の存在はなく、小規模な小競り合いがあり戦闘能力が高まっていた」と説明。
平安時代の山岳寺院で10、11世紀の堂塔跡が多数見つかった国見山廃寺は「ものすごく格式が高く、当時東日本最大級のお堂。大きくしたのは恐らく安倍氏。権威を示す儀式の場だった」との見解を示し、「藤原氏の時代になってからはこれらの場が平泉に移ったが宗教的価値が尊重され、廃寺麓の極楽寺に銅竜頭などの貴重な仏具を残した」と解説した。同館で公開している4頭の銅竜頭や貴重な仏像なども当時の時代背景を踏まえて紹介し、参加者は興味津々に聞き入った。
同市上野町の高橋信雄さん(69)は「毎回、いろいろな話が出てきて面白い。北上には他にない仏具が残っており、当時東北の中心だったのでは」と笑顔で感想を話していた。
同解説会は26日まで。いずれも午前10時~11時30分。参加無料。
申し込み、問い合わせは同館=0197(64)1756=まで。