奥州・金ケ崎

夢実現へ難関突破 生徒3人資格取得 建築CAD准1級、宅建取引士 水沢工高【奥州】

難関資格を取得した水沢工高インテリア科の(右から)今氏さん、藤原さん、佐々木さん

 奥州市の県立水沢工業高校(日當仁己校長、生徒375人)のインテリア科3年生3人が、合格率2割を切る難関を突破して同校初の資格を取得した。2人は建築CAD(コンピューター利用設計)検定准1級(全国建築CAD連盟主催)、1人は宅地建物取引士資格試験(不動産適正取引推進機構主催)で合格。ともに社会人も受験し、高い実務レベルの正確な知識が要求される。3人は将来の夢の実現に向けて自信が付いたと喜んでいる。

 難関を突破したのは、CAD検定准1級が今氏蓮さんと藤原義大さん、宅建が佐々木暖さん。今氏さんと藤原さんは課題研究「建築CAD検定准1級に挑戦」で仲間5人と共に挑み、佐々木さんは同校のカリキュラムのない資格のため、こつこつと独学を重ねて臨んだ。

 建築CAD検定准1級の試験は、1級建築士試験レベルの製図4枚を3時間30分の制限時間でCADで仕上げるというもの。同校によると、建築事務所に勤務する人たちも取得を目指すとのレベルで、過去10年間の全国平均合格率は18・3%といい、合格者がいない年もある。

 2人は課題研究や放課後の学習で周囲と切磋琢磨(せっさたくま)。「製図自体よりも作業時間の短縮に力を入れた」とし、2022年10月に受験。同11月に発表された合格者は全国で8人だった。

 2人は「うれしかった」と口をそろえ、藤原さんは「有資格者が少ないだけに自信につながる」、今氏さんは「自信にもなったし、製図の理解度も上がった」と達成感をにじませる。

 卒業後、藤原さんは東北芸術工科大、今氏さんは東北職業能力開発大学校へ進学し、さらなる知識と技術を磨く考え。今氏さんは設計関係、藤原さんは建築関連の仕事を目指すという。

 佐々木さんはスケートボードやスノーボードを趣味としており、趣味を通じて知り合った不動産投資家に不動産の世界を聞き、宅建試験への挑戦を決めた。

 同校での学習に加え、宅建試験対策を重ねた。知人からの指導や動画サイトで学びを深め、10月に受験し11月に合格の報を受けた。同校によると、今年度の合格率は全国平均17・0%で、学生は専門学校を中心にそのうちの1割ほどという。

 同校初の宅建合格者となった佐々木さんは「就職して即戦力になる」と意気込む。卒業後は「(同市)水沢の不動産業者に就職し、10年ぐらいは資金をためながら経験を積む。20代で独立開業したい。物件を持って営業してみたい」と将来を見据える。

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