岩手日日１００周年　きょう記念式典、文化賞贈呈【一関】

　岩手日日新聞社（山岸学代表取締役）の創立１００周年記念式典は、２６日に一関市山目のベリーノホテル一関で行われる。１００年の歩みをまとめたスライド上映や取り扱い販売店への感謝状贈呈などに続き、第４０回岩手日日文化賞・学生賞の贈呈式、本間希樹氏（国立天文台水沢ＶＬＢＩ観測所長）による記念講演会も開かれる。

　同社は、創立者の山岸憲彰が１９２３（大正１２）年２月２４日に設立した「いちのせき新聞社」が前身で、同２６日「夕刊いちのせき」を創刊後、太平洋戦争後に朝刊に切り替えた。一関市から徐々に発行エリアを拡大し、現在は一関・平泉地方と、胆江・北上・花巻地方の県南エリアで日刊紙「岩手日日」を発行している。

　記念式典に続いて岩手日日文化賞・学生賞の贈呈式が行われる。文化賞は学術・研究部門で奥州市の国立天文台水沢ＶＬＢＩ観測所（本間希樹所長）、芸術・文化部門で花巻市の大迫神楽の日実行委員会（山影義一委員長）、福祉部門で北上市のがん患者の会・ペイシェントアクティブびわの会（髙橋みよ子代表）、地域振興部門で一関市の本寺地区地域づくり推進協議会（五十嵐正一会長）の４団体に贈呈。学生賞は工藤信太朗さん（１８）＝一関学院高校３年＝、阿部なつみさん（１８）＝水沢高校３年＝がそれぞれ受賞する。

　水沢ＶＬＢＩ観測所は宇宙の観測を継続し、国際プロジェクトでブラックホール撮影に成功するなど世界的な成果を挙げている。

　大迫神楽の日実行委は、国連教育科学文化機関（ユネスコ）無形文化遺産に登録されている岳、大償両神楽などの鑑賞機会を提供。

　びわの会は、がん患者らの自助グループとして春と秋の里山散策会、勉強会「患者の学校」などに取り組んでいる。

　本寺地区地域づくり推進協は、骨寺村荘園遺跡を核に中世から続く農村景観の保全と歴史を生かした地域づくり活動を展開する。

　工藤さんは、第３８回Ｕ２０日本陸上競技選手権大会の男子３０００メートルに出場し、大会新記録、県高校新記録で優勝を果たした。

　阿部さんは、第２５回俳句甲子園に出場し、郷土の誇りを表現した句で東北地方の個人として初の最優秀賞を受賞した。