道真一族の伝説紹介 漫画「菅秀才物語」発行 千厩・史跡周辺保存会【一関】
一関市千厩町磐清水の菅秀才史跡周辺保存会(菊地一久会長)は、地元の安楽寺を開いたとされる菅原道真の四男・淳茂(菅秀才)を中心に一族の伝説をまとめた漫画「菅秀才物語~安楽寺天満宮1100年の物語~」(B5判、16ページ)を発行した。子どもたちや住民に郷土の歴史を伝える。
菅秀才の没後1100年記念事業として、市の2022年度いちのせき元気な地域づくり事業で30万円の補助を受けて製作。インターネットサイトから作画などの製作者を募り、地元で菅秀才を顕彰してきた菊地誠さん(故人)が手がけた書籍「菅秀才物語」を下敷きにした。
漫画では菅秀才を主人公に伝説を時系列に整理し、一続きのストーリーに構成。後に学問の神様として祭られる道真(菅公)の左遷をきっかけに菅秀才も配流となり、菅秀才に菅公夫人、2人の娘も同道して奥州へ向かったことなどを分かりやすく紹介。出家した菅秀才が父らを弔うため開いたとされる同寺をはじめ、当地と道真らとのゆかりに触れている。
菅公夫人の墓(同市東山町田河津)、夫人と道真の娘2人が住んだとされる母体、上姉体、下姉体(奥州市)など県南地方に残る関連の史跡や地名、一族にまつわる全国的・代表的な伝説もフォロー。子どものために読み仮名を多用し、時代背景にも丁寧な解説を添えた。
菊地会長(75)は「道真公は歴史上の人物だが、現代の子どもたちには意外に詳しく知られていない印象。漫画となったことで地元のことがよく分かると思う」と話している。
2000部を作製。22年度の千厩地域内の小中学生に配布したほか、市内の図書館など公共施設にも寄贈する予定。頒布などについての問い合わせは同寺の佐藤良規住職=090(6220)0220=へ。