県内外

いわてワイン振興協設立 産地確立や交流人口拡大 醸造所、自治体など

総会でいわてワイン振興協議会の設立を確認する関係者ら

 県内のワイナリーや所在自治体などで組織する「いわてワイン振興協議会」が6日、設立された。県内では近年、新しいワイナリー開設の動きが進んでおり、関係機関・団体が一体となり、トップレベルの産地確立や交流人口の拡大などワインを中心とした地域振興を目指す。

 ワイナリーや自治体、研究機関、流通関係者などが一体となり、高品質なワインを生み出す産地の確立や関係県産品の消費拡大、ワインツーリズムによる交流人口の拡大など、ワインを核とした産業振興や地域活性化を図ろうと、協議会を設立した。

 県内のワイナリー等13社とワイナリーのある花巻、平泉など8市町村、JA全農いわて、県で構成。醸造や流通、観光、飲食、ソムリエの方面から関係団体が支える体制となっている。

 同日は、関係者約40人が出席し盛岡市内で設立総会を開き、設置要領を確認し会を正式に設立。引き続き2023年度の事業計画と収支予算を原案通り承認した。

 事業計画では、醸造用ブドウの生産振興をはじめ県産ワインの品質と認知度の向上を図るための栽培技術支援や地理的表示(GI)取得に向けた検討、消費拡大のプロモーションなどに取り組む方針。

 具体的には、栽培技術の向上を目的とする生産拡大セミナーと現地研修会や醸造技術向上セミナーを開催するほか、県産ワインの取扱店と連携したフェアや、県産食材とタイアップしたイベントを開催する予定。また、品種選定のための試験栽培に取り組み、GI申請に向けては制度の勉強や体制整備について検討し導入の可能性を探る。

 会長に選出された岩手くずまきワイン社長の鈴木重男葛巻町長は「新たな岩手の産業としてワインが伸びると期待ができる。歴史は世界に比べて短いが、岩手で新たな品種を作る努力をしながら、取り組みに磨きを掛けたい」と意欲を示した。

 本県は寒暖の差が大きく、北上高地を中心に広がる南向きの緩斜面や石灰質土壌など醸造用ブドウの栽培に適した環境・地質などを有し、県内では花巻市や大船渡市などで新しいワイナリーが開設され、現在17社が個性豊かなワイン作りなどを行っている。県産ワインは国内外コンクールで多数の受賞歴があり高評価を得ており、ブランド力向上に向けGI取得機運の高まりもある。

 国税庁のまとめによると、国産ブドウのみを原料に国内製造された日本ワインの21年本県生産量は425キロリットルで全国5位で、トップの山梨県の10分の1にも届いていない状況。

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