県内外

適切な価格転嫁へ 県内12機関・団体共同宣言【岩手】

価格転嫁の円滑化に向けた共同宣言にサインする出席者ら

 県内の経済・労働団体と行政機関は12日、コスト増加分を適切に価格転嫁する機運の醸成を目指した共同宣言を盛岡市内で行った。原材料やエネルギーなどの価格高騰で経営環境が厳しさを増す中、企業に価格交渉と取引環境の適正化を働き掛け、経営安定や賃上げに向けた環境を整えることで地域経済の活性化を目指す。

 原材料価格などが高騰する中、人手不足や春闘での賃上げなどで人件費も膨らみ企業経営は厳しい状況に置かれ、コスト増加分に見合った商品やサービスへの価格転嫁は十分に進んでいない。

 このため、県内の関係機関・団体は価格転嫁の円滑化に向けた共同宣言を行うことにした。参加したのは県商工会議所連合会、県商工会連合会、県中小企業団体中央会、県経営者協会、岩手経済同友会、県中小企業家同友会、県トラック協会、連合岩手、東北経済産業局、岩手労働局、国土交通省岩手運輸支局、県の12機関・団体。

 共同宣言を踏まえて▽取引価格に円滑に反映されるよう価格転嫁に関する支援策や各種情報を共有、周知▽適正な取引の宣言を通じて国の補助金採択で優遇される「パートナーシップ構築宣言」の普及拡大や、価格交渉実施に向けた発注者側への働き掛け▽ウェブサイトや講習会、セミナーなどを通じ、県内企業の経営安定、生産性向上などへの理解促進や相談対応▽「パートナーシップ構築宣言」や生産性向上に関する支援策を周知し、賃上げや人材確保に取り組む環境整備―などに連携して取り組む。

 同日は盛岡市で署名式が行われ、参加機関・団体の代表者が宣言内容にサインした。

 県中小企業家同友会の吉田ひさ子代表理事は「一部業界では価格転嫁が難しいとの声が出ており、宣言がしっかりやっていくきっかけになってほしい」、県商工会議所連合会の谷村邦久会長は「立場の弱い中小企業の負担が増えないよう大企業が面倒を見ることが大事だ。宣言は非常に意味がある」と話した。

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