両陣営しのぎ削る 県議選との連動本格化 投票まで1週間 知事選いわて
任期満了に伴う知事選は、9月3日の投開票まで1週間となった。届け出順に、県内4野党の支援を得て5選を目指す現職達増拓也候補(59)=無所属=、自民党県連と公明党県本部が支援、支持する元県議の新人千葉絢子候補(45)=同=の2人が立候補し、大物弁士の援護射撃も受けながら連日支持集めに奔走している。選挙戦も後半に突入し、25日に告示された県議選との連動も本格化。今後は与野党の攻防が一層激しさを増しそうだ。
達増候補は立憲民主、共産、国民民主、社民の県内4野党が支援。「県民党」を掲げ、野党系や無所属が参加する政治団体「希望郷いわてを実現する会」とも連携する。告示後は全33市町村を巡回。各地域の第一声で全国トップクラスの子育て支援策の拡充、産業振興などの政策を訴えた。
立民の岡田克也幹事長、小沢一郎衆院議員ら大物も続々県内入り。19日には2022年秋の沖縄県知事選で自公推薦候補を破った玉城デニー氏が5カ所で応援演説。JR盛岡駅前では「達増知事は多くの県民、市民と対話し、岩手の将来をつくるという思いを丁寧に丁寧に政策へ反映させてきた。絶大な支援をお願いしたい」とエールを送った。
後半戦は、10年連続人口増を達成した前兵庫県明石市長の泉房穂氏が来県する予定。達増陣営の木戸口英司選対幹事長は「市町村での第一声でしっかり候補の考えを伝えることができた。県外から独自に来てくれる弁士も多く心強い。後半は県議選の陣営とも連携し、オール岩手で臨んでいく」と意気込む。
千葉候補は、自民党の全面支援と公明党県本部の支持に加え、自身が代表を務める超党派の政治団体「新しい岩手をつくる会」と連動した運動を展開。告示後は県内をくまなく遊説。早朝の手振りや街頭演説、個人演説会をこなし、県民一人当たりの所得向上、若者の就職や子育て支援による社会減対策などの政策を訴える。
鈴木俊一財務相も各地でマイクを握り、国との連携強化をアピール。19日には小野寺五典元防衛相が来県。一関市内の演説で「県全体を発展させるとなると盛岡中心になってしまうが、千葉さんは地元のことをよく分かっている。ぜひ知事になっていただき、岩手を前に進めていこうではないか」と呼び掛けた。
後半は同団体の県議選候補者とともに街頭演説など展開。鈴木財務相も引き続き応援に入り、票の積み上げを図る。千葉陣営の藤原崇選対幹事長は「4期16年の壁は厚いが、期待感はあると感じる。県議候補とも連動し、県全体に支持を訴えていく」と対決姿勢を強める。