奥州・金ケ崎

鳥海柵跡出土品 時系列に 国指定史跡10周年企画展 金ケ崎・要害歴史館

金ケ崎要害歴史館で開かれている企画展「そして鳥海柵となる」
展示された金ケ崎町指定文化財3点(左から緑釉陶器唾壺、土師器香炉蓋、内黒墨書土器坏「五保」)

 金ケ崎町西根の国選定城内諏訪小路重要伝統的建造物群保存地区(伝建群)内にある金ケ崎要害歴史館(柏井慶一館長)で、企画展「そして鳥海柵(とのみのさく)となる―出土品でみる国指定史跡鳥海柵跡」が開かれている。国指定史跡となって10周年を迎えたのを記念し、史跡とその周辺から出土した7~12世紀の遺物およそ70点を時系列に並べ、古くから特別な場所となっていた歴史的価値を伝えている。

 鳥海柵跡は11世紀に陸奥国の奥6郡を支配した豪族安倍氏の拠点で、2013年10月17日に国指定史跡となった。今展では、いずれも9~10世紀の遺物で町指定文化財の▽内黒墨書土器坏(つき)「五保」▽緑釉陶器唾壺(だこ)(京都山城産)▽土師(はじ)器香炉蓋(ふた)―の3点をはじめ、普段は公開されていない出土品が並んだ。

 このうち墨書土器は、律令制度の末端行政組織「五保」の文字が墨書きされた土師器。唾壺は、淡い緑の釉薬が施された漏斗状の口径部のみ出土。香炉蓋は国指定史跡胆沢城跡でも出土例があり、他の2点と並んで同城と関連性のある遺物とみられ、安倍氏前史を考える上で重要な資料となっている。

 展示期間は12月28日まで。開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料(常設展を含む)は一般200円、高校生以下無料。

 問い合わせは同館=0197(42)3060=まで。

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