後藤と原 選択対比 鉄道院総裁、功労紹介 記念館企画展【奥州】
奥州市の後藤新平記念館(佐藤彰博館長)の2023年度第3回企画展「広軌と狭軌―鉄道院総裁『後藤』と『原』の選択」が、同市水沢大手町の同記念館で開かれている。近代日本の鉄道整備において軌間(レール間の幅)を巡り、鉄道院総裁を3度務めた後藤と、内閣総理大臣就任前に同院総裁などを務めた原敬を対比させて、本県出身の両者の功労などを資料と併せて展示している。3月17日まで。
鉄道の軌間は、英国の蒸気機関車の軌間が約1・5メートルだったことから世界的な標準となり「標準軌」と呼ばれた。明治に整備された日本の鉄道は、予算の節約などを理由に1・067メートルという狭い軌間が採用された。明治後半になると、標準軌に敷き直そうという広軌化問題が起こった。
この記事の詳報を岩手日日紙面または電子新聞momottoでご覧いただけます。
momottoメモ
企画展では、後藤の逓信大臣や鉄道院総裁に関する書簡、後藤の花押がある広軌改築に関する閣議稟議(りんぎ)書、10(明治43)年に金沢市で演説する写真などの資料を展示。また、09年に東京で行われた鉄道院の忘年会で、後藤が述べた鉄道職員の業務上執行の三大要訣「敏速、精確、明快」を横書きし、鉄道院の徽章を中央に配した「八曲屏風(びょうぶ)」(縦1・8メートル、横5メートル)もある。一方、原に関する資料では写真や日記などを並べ、日記では後藤に関する記述も紹介している。
企画展の解説会は今月13日午後1時30分から同記念館で開かれる。
火曜休館。問い合わせは同館=0197(25)7870=へ。