「大事なのは近所の力」 荒谷さん(県地域防災サポーター)講演 自主防等リーダー研修【花巻】
花巻市の2023年度自主防災組織等リーダー研修会は8日、同市若葉町の市文化会館で開かれた。弘前医療福祉大短期大学部講師で県地域防災サポーターの荒谷雄幸さんを講師に、経験などに基づいた防災対策のあるべき姿に理解を深めた。
「教訓・すべての答えは現場にある。」と題して講演した荒谷さんは、元二戸地区広域行政事務組合消防本部救急救命士として、11年の東日本大震災と16年の台風10号災害へ派遣された経験や現場での関係者からの聞き取りから得た知見、災害対応について紹介。
中でも消防隊員が埋もれた人を救助できる割合は1・7%とわずかでほとんどが自分で逃げるか隣近所の人に助けられていること、避難所運営では女性リーダーを置くことで多様なニーズに配慮できること、介護士や栄養士、保育士、看護師、大工などの資格や特技が避難所運営の大きな力になることなどを伝えた。
またクロスロード・ゲームで災害時の二者択一の選択をすることでとっさの対応や状況判断を体験。「自助・共助・公助それよりももっと大事なのは近所の力だ。防災は難しくない。隣組で無事が確認できればいい。その考え方を大事にしてほしい」と呼び掛けた。
研修会は自主防災組織の活動の活性化に向け、指導的な役割を担う人材養成が目的。市内の自主防災組織やコミュニティ会議の担当者、防災士、行政区長など約160人が参加した。