首都復興へ大きな役割 後藤新平携わり作成 関東大震災前の都市計画地図 山田さん(盛岡)記念館に寄贈【奥州】
奥州市水沢出身の政治家後藤新平(1857~1929年)を顕彰する同市立後藤新平記念館に、盛岡市の歴史研究家から後藤が作成に携わった大正時代の「東京都市計画地図」など2点が寄贈された。同地図は街路網計画の全容を明らかにしたもので、関東大震災後の首都復興に大きな役割を果たしたとされ、同館では「後藤の功績を高める貴重な資料だ」と感謝する。
寄贈したのは、市民の歴史探究館代表の山田公一さん(74)=盛岡市上ノ橋町=。地図などは、山田さんの祖父で、衆院議員や盛岡市長などを務めた大矢馬太郎(1870~1939年)が所有していた。
山田さんは、自宅の敷地内に構える市民の歴史探究館を、3年ほど前に同じ敷地内に移設。以後、2万数千点に及ぶ郷土史関連の資料を整理しており、その一部を県内各市町の記念館などに寄贈する活動を行っている。
「東京都市計画地図」(縦102センチ、横78センチ)は、1921(大正10)年に作成。同館によると、都市計画東京地方委員会編で、江戸東京博物館の所蔵と同じ地図。当時の東京中心部の既存・新設を含む街路網が描かれた。
同記念館を5日訪れた山田さんは「都市改造計画を協議するため、後藤が会長を務めた都市研究会のメンバーに祖父も加わっており、地図を入手できたのではないか。関東大震災後の復興に役立てられた」と説明する。
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