果樹カメムシ 多発注意報 速やかな防除呼び掛け 岩手県内
県病害虫防除所は、リンゴなどの実に被害を及ぼす果樹カメムシ類が県下全域で多発する恐れがあるとして、病害虫発生予察情報(注意報)を発表した。飛来が確認された場合は速やかな防除を呼び掛けている。
果樹カメムシは、リンゴやモモなど果樹類の汁を吸うカメムシの総称。汁を吸うことで、果実の変形や落下などの被害を及ぼす。
同防除所によると、3月下旬から北上市成田の基準圃場(ほじょう)で実施している調査では、わなにかかった果樹カメムシが6月から増加している。
中でも6~10日は、果樹カメムシが多発した2001年、12年に比べ10倍以上の数が確認された。
さらに、2~10日に県内31カ所の園地で実施した巡回調査では、被害果の発生園地率が16・1%と、平年の10・6%に比べやや高かった。一部では発生程度中(被害果率3%以上)の園地も見られた。
果樹カメムシは山林で冬を越し、気温の上昇とともに平地で果樹の汁を吸う。今年は5月の気温が比較的低く推移したが、6月に入って急激に気温が上がり、活動が活発化したとみられる。
向こう1カ月(7日~7月6日)の気温は平年より高い予報で、果樹カメムシの活動が活発になることが予測され、被害の増加が懸念される。
同防除所の猫塚修一次長は「例年に比べ果樹カメムシの数が極端に多い。摘果作業をしながら園地の果樹をよく観察し、飛来が確認された場合は速やかに薬剤防除してほしい」と話している。