一関・平泉

「命」つなげ 旧祭畤大橋で救助訓練【一関】

旧祭畤大橋でロープ技術を使った救助訓練に当たる参加者

 2008年6月の岩手・宮城内陸地震で落橋した一関市厳美町の旧祭畤大橋付近で15日、公開レスキュー訓練が行われた。県内外の参加者はロープ技術を駆使し、大掛かりな救助訓練を実践。山岳地帯での大規模な災害発生時に備えた。

 訓練は、全国各地で橋梁(きょうりょう)の点検や岩質調査などに当たっている日本空糸(同市萩荘、伊藤徳光代表取締役)を中心に17年6月から行い9年目。実行委員会を組織して14日の防災イベントに続いて実施し、県内をはじめ、北海道、東北、関東、中国地方など全国各地の消防レスキュー隊員やロープ技術者らが集まり、合わせて70人ほどで運営に当たった。

 大規模地震で観光客が滑落して橋の下に取り残されたとの想定で、参加者は折れ曲がった旧橋からロープを伝って30メートルほど降り要救助者を捜索した。レスキュー隊員らが8人がかりでロープ技術を最大限生かし、急斜面で草木が生い茂る悪条件の中、呼吸や脈拍など要救助者の状態も見極めながら担架で引き上げた。

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会場には多くの人々が見学に訪れ、「担架で引き上げるのはだいぶ重労働だと思う。レスキューの方々の大変さが分かった」と話していた。実行委員長の伊藤代表取締役(38)は「山の中でロープを使い、より助かる方法でどう命のバトンをつなぐか、それぞれの立場で確認できた。実際に落ちたら引き上げるのは大変な作業で、レスキューの方々の苦労も分かってもらえたのではないか」と語った。

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