浄土庭園 浸る世界観 キャラ成り切り撮影 平泉・毛越寺 初のコスプレイベント
平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)が主催する初のコスプレ撮影会「平安より時空(とき)を越えて…#毛越寺コス」は22日、同寺で開かれた。2026年に迎える「平泉の文化遺産」の世界遺産登録15周年のプレイベントとして開催。参加したコスプレーヤーとカメラマンが、浄土庭園など世界遺産の同寺ならではのロケーションで撮影を楽しみ、平泉の魅力を味わった。
特別史跡・特別名勝の二重指定を受けている同寺の景観を生かして若者の拝観につなげ、平泉や歴史、仏教などに興味を持ってもらおうと開催。本県や宮城県を中心にコスプレーヤー54人、カメラマン21人がエントリーした。
コスプレの題材には、会場の雰囲気に合った和風や時代物の作品など、ゲームや漫画、アニメのキャラクターが多く選ばれた。コスプレーヤーは境内に繰り出し、ポーズを決めて写真に納まる姿が多く見られた。毛越寺あやめまつり(30日まで)でハナショウブが咲き誇るあやめ園や、大泉が池が映り込む場所が人気を集めた。
平安時代に当地を治めた奥州藤原氏の四代泰衡がモデルのキャラクターに成り切った黎舞さん(神奈川県)は「何度も来たことがあるが、撮影会は『まさか』という感じ。聖地で撮影ができて感慨深い」と満足げ。県内からの参加も多く、はじめ☆さん(一関市千厩町)は「初開催だが、仲間内で聞いてもアクセスが意外と便利で、申し込みもスムーズだった。観光客に配慮した撮影エリアを設定したのも良いこと」と話していた。
「毛越寺コス」は初開催の紅葉まつりに合わせ、11月9日にも開く。同寺の南洞法玲広報行事部長は「思い描いた通り、良い空間になった。たくさんの方々に楽しんでもらえてうれしい。初開催なので改善点を出して次回に生かしたい」と総括した。