26年の歴史 熱演で幕 一関藤沢市民劇場
第26回一関藤沢市民劇場「合縁奇縁~想い 時空(とき)を超えて~」(実行委主催、岩手日日新聞社など後援)は29日、一関市藤沢町の藤沢文化センター「縄文ホール」で開かれた。今回が最後の舞台で、キャストが熱のこもった演技を繰り広げ、26年の歴史に幕を閉じた。【14面に関連】
2部構成で、第1部はスライド映像でこれまでの足跡を振り返り、皆川洋一さん(76)=同町=と出演者の村上彩人さん(23)=同市千厩町出身=が笑いも誘いながら劇団の歴史を紹介した。
本編となる第2部は前年の公演で主役を務めた佐藤栞さん(24)=同町=が原作を担当。物語は現代を生きる2人の登場人物の前にそれぞれ現れた謎の女・緑と記憶を失った幽霊の琳を中心に物語が進み、終盤には琳が緑と出会うことで自身の過去を思い出すとともに緑の正体も判明する内容。キャスト陣が登場人物の心情を丁寧に演じ、200人超の来場者を引き付けた。
公演後には14人のキャストがステージ上に並び来場者に感謝を伝えるとともに、代表して千葉憲一実行委員長が「藤沢の市民劇が無くなるわけではない。自分たちのつくってきた宝物を無くすわけにはいかない。いつか形を変えて皆さんの前に現れることを私も願っている。その時は必ず足を運んでいただきたい」と呼び掛けた。
宮城県気仙沼市本吉町の劇団「おのずがだ」に所属する70代男性は「地域に根差した市民劇場が無くなることは寂しいが、皆さんの演技から勇気をもらった。またぜひ復活してほしい」と語っていた。