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山に向かいて言うことなし 8月11日は「山の日」

山歩録(第97回「変わらぬ魅力の姫神山」)のオフショット。今年度から標高が1㍍低くなった姫神山の頂から、入山規制中の岩手山を望みました。「ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」(石川啄木)=2025年6月撮影

 8月11日は「山の日」。山に親しみ、山の恩恵に感謝する国民の祝日です。

 岩手日日電子新聞momottoのオリジナルコンテンツ「山歩録」は2017年のきょうスタートし、先月100回目を迎えました。同じ山に何度も登ったり、一日で複数の頂を踏んだりし、これまでに紹介したのは68座。担当記者がさまざまな「一番」を振り返りながら、岩手の山々の魅力を紹介します。

何度も頂へ 栗駒山
▲76.花めでる栗駒山開き(展望岩頭、2024年5月撮影)
栗駒山 紅葉が進んだ名残ケ原。赤、黄、緑が織り成す美しさで「神の絨毯」と呼ばれています
▲43.神の絨毯の栗駒山と秣岳(名残ケ原、2019年10月撮影)

 一関市に本社を構える新聞社で務める記者にとって、ホームマウンテン。記事化していない山行もありますが、山歩録100回のうち14回で登頂しています。花や紅葉の見頃に合わせて通い続け、宮城側の東栗駒山から縦走したり、秋田側の秣岳まで足を延ばしたり。展望岩頭から昭和湖を見下ろしながら休憩するのが好きです。

累積標高が大きい 岩手山・焼走りコース
「高山植物の女王」コマクサが咲き渡る岩手山
▲9.コマクサ咲き渡る岩手山(2018年6月撮影)

 現在入山規制中の本県最高峰は登山コースが複数あり、初挑戦は「高山植物の女王」コマクサを求め焼走りコースへ。ピンク色の花はかわいらしく、何度も火山砂礫(されき)でしゃがみこんで撮影。実際に登る高さを意味する累積標高は1474㍍。時間がどんどん過ぎ、外輪山を1周する「お鉢巡り」を諦めたことも、今となってはいい思い出。

道のりが長い 焼石岳・つぶ沼コース
焼石岳の頂を背にした姥石平のハクサンイチゲの群生
▲7.花咲き競う焼石岳(姥石平、2018年6月撮影)

 焼石連峰山開きの日、神事が行われたつぶ沼から入山。姥石平の花畑が目当てでしたが、途中で出合う花々も美しく、何度も足が止まりました。約17㌔の山行は本当に長い一日になり、懲りました。今はもっぱら、往復で5㌔も短縮できる中沼コース派です。

達成感がすごい 和賀岳
ニッコウキスゲやトウゲブキで黄色く彩られた和賀岳山頂付近
▲12.梅雨あがり花潤沢な和賀岳(2018年7月撮影)

 一生懸命登っている途中で、和賀川を渡渉するため一気に下ります。往路で下るということは、疲労ピークの復路で登るということ。累積標高は1400㍍超。山頂周辺の絶景より、必死に歩いた記憶の方が印象深いです。あんなに頑張ったのに、山バッジが無いのが残念。

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