花巻

「リンゴの神様」偉業たたえる 島善鄰顕彰碑 ぐるっと花巻イチニィさんぽ

花巻市高木の堰袋児童公園に建つ「リンゴの神様」島善鄰の顕彰碑

 花巻市高木の国道283号沿いに、黄色のリンゴの置物をてっぺんに付けた看板が目に留まる。こんな所に何のリンゴかと思えば、「リンゴの神様」として知られる農学博士の島善鄰(よしちか)(1889~1964年)の顕彰碑の入り口を示す案内板だ。

 島とはどんな人だったのか。市教委の解説板によると、島は花巻城下の武士、島家の直系として広島県で生まれた。9歳の時に職業軍人だった父が死亡。その後、花巻の大叔父に引き取られ、少年時代を高木の地で過ごした。

 盛岡農学校から盛岡中学、仙台第一中学を経て、東北帝国大農科大学(現北海道大)に進み、花巻出身で北海道大学長を務めた佐藤昌介の教えを受けたとされる。卒業後は母校の助手を務め、1916年から青森県農事試験場に勤務し、リンゴ栽培の指導に当たった。

 22年には欧米に出張中に発見したゴールデンデリシャスを米国から初めて導入し、国産リンゴの品種改良に寄与。31年に「実験 リンゴの研究」を発刊し、科学的な栽培技術を紹介するなど、リンゴの栽培、指導に生涯情熱を注いだ。リンゴ博士と呼ばれるゆえんはここからきている。

 50年から54年まで北海道大学長。また、本県にも足を運び、岩手リンゴの基礎を確立させた。

 顕彰碑は国道から50メートルほど入った堰袋児童公園に建つ。島が亡くなって3年が経過した67年、島を慕う花巻果樹農協組合員をはじめ農業団体、リンゴ栽培農家、北海道大の同窓生、教え子などの関係者が中心となり建立した。

 毎年8月には島善鄰先生を偲(しの)ぶ会による碑前祭が行われている。

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