一関・平泉

県品評会で最優秀 乾シイタケ 大東・岩渕さん 再開後は市内初【一関】

県乾シイタケ品評会「こうしん」の部で最優秀賞を受賞した岩渕さん

 一関市大東町曽慶の農業岩渕謙一さん(68)は、第47回県乾シイタケ品評会「こうしん」の部で最優秀賞を受賞した。市内生産者の入賞は、東日本大震災後の生産再開以降初めて。岩渕さんは受賞を喜びながら、「原発事故の影響で苦しい状況は依然として続いているが、やめるわけにはいかない」と決意を語る。

 品評会の審査会は、13日に矢巾町の県林業技術センターで実施。市内からは5人の生産者が計7点を出品し、岩渕さんが唯一入賞した。

 岩渕さんは大東椎茸(しいたけ)産業推進協議会長のほか県指導林家、県林業普及指導協力員などを務め、多くの生産者に指導、助言を行ってきた。東京電力福島第1原発事故に伴う出荷制限指示が出されて以降いち早く生産再開に向けて動きだし、2013年から放射性物質を低減する栽培管理に取り組み、15年2月にハウス栽培の出荷自粛が解除、同4月に露地栽培の出荷制限が解除された。

 ほだ場の環境整備や安全基準を満たした原木の使用など、生産再開までの道のりは平坦(へいたん)ではなく、「今までは自分の山から原木を切り出していたのでほとんど人件費しか掛からなかったが、今は別の地域から原木を買ってこなければならない」と苦労を語る。

 ほだ場に一時保管している震災当時使っていたほだ木約8万5000本や、除染のために剥ぎ取った土、落ち葉なども処理のめどは立っていない。「以前から規模は3分の1くらいに縮小したが、やめるわけにはいかない。工夫を重ねながら続けたい」と力を込めた。

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