一関・平泉

端末機器を更新 一関市 今年度900台整備 災害弱者緊急通報システム

一関市が貸出分を含む900台を更新する「災害弱者消防緊急通報システム」の機器

 一関市は2017年度、高齢者のみの世帯や障害者手帳を持つ人などに貸与している「災害弱者消防緊急通報システム」の通報用機器を更新する。対象者が119番通報を必要とした際、専用装置のボタンを押すことで市消防本部の通信指令につながるもので、約850人が利用している。耐用年数を迎えたことから配備し直し、安全で正確な利用につなげる。

 緊急通報システムは、自宅に設置する専用装置のボタンを押すことで119番と同様の通報ができる仕組み。1人暮らしの高齢者や高齢者世帯、身体障害者手帳1、2級、療育手帳Aの交付を受けている市民のうち「心筋梗塞や脳卒中、ぜんそくなど慢性疾患を持つ人」「緊急時に自身で119番通報や避難が難しい人」を対象に機器を貸し出し、緊急時の円滑な通報に一役買っている。

 一関市は旧市時代の1995年に導入し、現在利用する機器は2009年に取り入れた。

 機器の貸与を受けた市民がボタンを押すことで消防の通信指令につながるほか、あらかじめ2人を定めるボランティアの「協力員」が通報者の自宅に駆け付けて安否や状況の確認、応急手当て、戸締まりを行う。

 機器は自宅の棚やテーブルなどに置く仕様とペンダント型、火災センサーの3種類。耐用年数は7~8年で、貸出分を含め市が所有する900台を更新する。費用として市は今年度の一般会計当初予算で7200万円余りを措置した。

 市は対象者に文書で更新の通知をした上で、作業は8月から12月まで順次行う予定だ。

 市長寿社会課によると、同システムによる16年度の活用状況は、市全体で受信件数が420件。うち救急出動は84件、火災出動は1件、確認のための出動は18件あった。例年同程度の件数だという。

 問い合わせ先は市長寿社会課=0191(21)8370=。

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