一関・平泉

夢の跡に りんと 中尊寺ハス開花【平泉】

咲き始めた中尊寺ハス。つぼみを膨らませた株も多く間もなく見頃を迎えそうだ

 平泉町の中尊寺(山田俊和貫首)で、奥州藤原氏時代の種子から育てた「中尊寺ハス」が咲き始めている。11日は池や鉢植えで数輪が花を咲かせ、鮮やかな色合いが参拝者の目を楽しませた。

 同寺の金剛院ハス池で6日、大池跡の鉢植えで10日に咲き始めた。開花期間は4日程度で初日の花の色が最も濃く、朝に開いて昼には閉じるを繰り返し、花びらを落とすという。

 花は全体に小ぶりで花びらが細いのが特徴。11日午前は花を眺めたり、写真に収めたりする参拝者でにぎわった。娘と訪れた徳島県の松田町子さん(77)は800年の時を超えて咲く花に「ありがたい気持ちになりますね」と静かに見入っていた。

 種子は1950年に金色堂で行われた学術調査で4代泰衡の首おけから発見された。98年に開花に成功し、翌年には同寺に株分けされた。近年は東日本大震災の犠牲者の鎮魂と復興を願い、被災地や藤原氏ゆかりの地などに株分けされている。

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