花巻

歴史に刻む新たな一歩 小瀬川神楽創立100年 あす、記念鑑賞会【花巻】

26年ぶりに披露する「蕨折り」を熱心に練習する小瀬川神楽保存会のメンバー

 花巻市小瀬川で伝承されている小瀬川神楽が、2017年で創立100周年を迎えた。16日には記念事業実行委員会(吉田明委員長)の主催による神楽鑑賞会が予定されており、26年ぶりという演目を含め節目の舞を披露する。保存会(及川敏会長、会員10人)では、これまでの歴史に新たな一歩を刻もうと、追い込みの練習に汗を流している。

 記録によると、小瀬川神楽は1917年12月に同市円万寺に伝わる円万寺神楽に「師匠」を依頼して修練を重ね、18年2月に地元で舞い初めを行ったのが起源という。七拍子によるたおやかで優雅な円万寺流の舞を忠実に受け継いでおり、99年3月には市無形民俗文化財に指定された。

 神楽鑑賞会には、師匠に加えて「兄弟子」の上根子神楽も出演。当日は▽鶏舞(小瀬川神楽)▽八幡舞(上根子神楽)▽三番叟(さんばそう)(小瀬川神楽)▽岩戸開き(上根子神楽)▽狐獲(きつねと)り(円万寺神楽)▽蕨(わらび)折り(小瀬川神楽)▽権現舞(円万寺神楽)―の7演目を披露する予定だ。

 このうち蕨折りは、道化役の山人(やまど)と胴前の軽妙なやりとりがこっけいな狂言で、演じるのは91年3月以来という。及川会長は「台本や音声は残っているものの映像がなかったため、なかなか再現できずにいた。節目を機に改めて演目に加えようと、この1カ月は練習量を増やして取り組んでいる」と話す。

 指導に当たっている神楽歴66年のベテラン吉田善一さん(89)は「100年を機に、また新しい歴史を刻んでいく努力を皆でしていってほしい」と期待。山人役を務める吉田富雄さん(66)は「節回しが難しくプレッシャーも大きいが、何とか自分なりに演じたい。本番であがらずにできれば」と汗を拭った。

 神楽鑑賞会は午後1時から同市小瀬川の小瀬川公民館で開催する。終演後の餅まきを経て、午後4時30分からは記念式典を行う。及川会長は「創立以来、多くの先輩たちから今のメンバーまで途切れずに続いてきた。自分たちの代で100年の節目を迎えたことに感謝し、しっかり練習していい舞を披露したい」と力を込めていた。

【訂正・16日付】狐獲りは円万寺神楽の演目でした。

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