一関・平泉

リトアニア身近に 舞川小で文化交流 演奏や紙芝居披露【一関】

舞川小児童を前に、リトアニアの古典楽器カンクレスを演奏するコトリーナさん(右)

 リトアニア出身の芸術家コトリーナ・シェシェルギーテさんは15日から18日までの4日間、一関市と平泉町を訪れた。最終日は同市舞川の舞川小学校(佐藤和也校長、児童94人)で日本の琴に似たリトアニアの古典楽器カンクレスの演奏や民話の紙芝居などを披露し、児童たちと触れ合った。

 コトリーナさんは母国を拠点に国内外で芸術活動に取り組んでおり、2014年には関西外国語大の日本語交換留学プログラムで来日した経験を持つ。在リトアニア日本大使館の重枝豊英特命全権大使と親交がある一関市の阿部興紀さんが、国境を越えた人と文化の交流事業として企画し、平泉町の道の駅平泉や同市のなのはなプラザなどでもイベントが開かれた。

 このうち舞川小の交流事業は、阿部さんが委員長を務める同市のミュージカル平泉実行委員会主催で行われた。コトリーナさんは柔らかな弦楽器の音色に乗せて母国の古歌を歌ったり、民話を題材にした手作り紙芝居を発表したりして全校児童に伝統文化を紹介した。

 佐藤玲凪さん(6年)は「楽器の音も声もきれいだった」、葉内柚月さん(同)は「初めてリトアニア語を聞いた。英語とも違う発音でびっくりした」と目を輝かせていた。

 阿部さんは「距離的には遠いが、日本への親しみを持ってくれていることを感じた。コトリーナさんも異文化や岩手の人の心に触れて楽しかったと話してくれており、いい国際交流の機会になった」と話していた。

 同実行委は、第2次世界大戦中に同国で日本へのビザを発行し、ナチス・ドイツの迫害から約6000人のユダヤ人を救ったとされる外交官杉原千畝(1900~86年)の記念館改修を支援。今回のイベントで寄せられた募金を、同実行委や同市の文化活動を支える創友会などからの支援金と合わせて同国に全額寄付する。

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